「緊張型頭痛」は日本人が悩む頭痛の中で、最も一般的なものだと言われています。
たいていの緊張型頭痛は片頭痛ほど激しい痛みではなく「我慢できる」と感じる人も多いのですが、慢性化することもあり、日常生活の質が落ちてしまうことは否めません。
緊張型頭痛には「デスクワークや長時間同じ姿勢でいることによる筋肉の緊張」など、心身のストレスが大きく関わっています。
この記事ではストレスによって引き起こされる緊張型頭痛の特徴と対処法について解説します。
緊張型頭痛の特徴・症状
緊張型頭痛の症状には以下のような特徴があります。
- 頭を締め付けられるような痛み
- 後頭部からクビにかけて圧迫感がある
- 肩こり・めまいを感じる
- 思い当たるきっかけなく始まる
- 数十分~数日間続く
片頭痛のように「ズキンズキンと脈打つようなひどい痛み」「吐き気」「光に敏感になる」といった、日常生活に大きな支障がでるような症状は出ないことが多いです。
ただ緊張型頭痛が慢性化している場合(慢性緊張型頭痛)には、片頭痛に似た症状が出る人もいます。
また緊張型頭痛は「働き盛りの世代」と「男性」に比較的多いと言われています。「遺伝的な素因もあるらしい」と言われていますが、まだ証明されていません。
緊張型頭痛の原因
緊張型頭痛の主な原因は心身のストレスです。具体的例を挙げてみますね。
- 同じ姿勢を長時間続ける(運転、スマホ、ゲームなど)
- 合わない枕の使用
- 冷え
- 不安、緊張、プレッシャー
心身のストレスにより交感神経が過剰に働いたり、筋肉が緊張することによって血管が圧迫されたり、血液循環が悪くなたりすることによって頭痛が起きると考えられています。
また緊張型頭痛には以下の2つの種類があります。
- 頻度が少なく短時間で収まる「反復性緊張型頭痛」
- ほぼ毎日起こる「慢性緊張型頭痛」
反復性緊張型頭痛の主な原因は、肩こりなどといった筋肉の緊張(身体のストレス)。
一方の慢性緊張型頭痛には、精神的なストレスも関わっていると考えられており、うつ病など心の病気を併発しているケースも見られます。
緊張型頭痛の予防法・対処法
緊張型頭痛の予防方法と、痛みを感じた時にできる対処法を紹介します。
まず予防法です。
- 長時間同じ姿勢でいない
- こまめにストレッチをして血行促進
- ウォーキングなど適度な運動を
- 枕の高さを調節する
- 睡眠時間の確保
緊張型頭痛を感じた時にできる対処法は以下のとおりです。
- 首や肩をあたためる
- 気分転換する(場所を変える、外の空気を吸う)
「セルフケアでは改善しない」「頭痛が長期間続く」といった場合には、病院を受診しましょう。「緊張型頭痛だと思っていたものが、別の病気が隠れていた」ということも考えられます。
緊張型頭痛で受診するなら「頭痛外来」のほか、「脳神経内科」「脳神経外科」「内科」「ペインクリニック内科」にかかることができます。
病院では問診・検査を行い、薬・漢方薬で治療します。心のストレスが原因で頭痛が起こっているなら、心療内科に治療を引き継ぐこともあるでしょう。
まとめ
緊張型頭痛は日本人によってはおなじみの頭痛のひとつです。
ストレスが原因で起こり、頭が締め付けられるような痛みが特徴。片頭痛ほど強い痛みではないので、自己流の対処法で我慢する人も多いです。
予防法としては血行が悪くならないよう注意すること、対処法としては肩や首などをあたためることが挙げられます。
ただし自己判断で間違った対処法を続けていた場合には、「なかなか改善しない」「悪化する」「慢性化する」という危険も。
頭痛が改善しない場合には病院で診察してもらいましょう。