多くの頭痛は理由がはっきりしないもの。けれどなんとか原因を突き止めて、頭痛を予防したり解消したりしたいですよね。
「ストレスでもない」「片頭痛持ちでもない」「睡眠不足でもない」のに、頭痛がしたり疲れやすかったりと、体調が何となく優れないなら、貧血が原因の頭痛かも知れません。
実は貧血の症状のひとつに頭痛があるのです。
この記事では貧血と頭痛の関係について解説します。
そもそも貧血にはどんな症状がある?
貧血には「鉄欠乏性貧血」「再生不良性貧血」「悪性貧血」「溶血性貧血」などの種類があります。最も一般的なのは鉄欠乏性貧血なので、ここでは鉄欠乏性貧血について解説します。
鉄欠乏性貧血は、血液中にある「ヘモグロビン」の量が減少した状態のことです。ヘモグロビンは血液中に存在する「赤血球」に含まれていて、酸素を運ぶ役割を担っています。
貧血というと「血液の量が足りない」と思う人もいますが、実はそうではなくて、鉄分不足のために赤血球が十分に作られずに、ヘモグロビンが減少している状態を指すのです。
鉄欠乏性貧血を含む貧血の症状には、以下のようなものがあります。
・動悸
・息切れ
・めまい
・立ちくらみ
・疲れやすい
・耳鳴り
・肌荒れ
・頭痛
実は頭痛も貧血の症状のひとつ。貧血のせいで頻繁に頭痛が起きて悩む人もいます。
特に女性は思春期の急激な成長・月経過多・妊娠・授乳などで貧血になりやすいとされます。また過度なダイエットや食生活の乱れも鉄欠乏性貧血の原因に。
貧血かどうかは血液検査(赤血球数、ヘモグロビンなど)で判断します。
「隠れ貧血」による頭痛にも要注意
貧血かどうかは血液検査で判断できると書きましたが、実は検査では見つからない「隠れ貧血(潜在性鉄欠乏症)」というものがあります。
隠れ貧血(潜在性鉄欠乏症)は、内臓や骨髄に蓄えられる「貯蔵鉄」が不足している状態。
人間の体内では、食事などで摂取する鉄が不足したときに、貯蔵鉄を使って不足分を補うシステムになっています。鉄の摂取量が不足し続けると、体内の貯蔵鉄が減っていき「潜在性鉄欠乏症」になってしまうというわけです。
潜在性鉄欠乏症でも、頭痛や耳鳴りが起こることがあります。
血液検査で赤血球やヘモグロビンが基準値内でも、貯蔵鉄が不足している人は多くいるとされています。しかし自分では貯蔵鉄の減少になかなか気づけないのが怖いところです。
潜在性鉄欠乏症かどうかを調べるためには、体内の「フェリチン」の数値を確認します。
貧血による頭痛を改善・予防する方法は?
貧血による頭痛を改善するには、まずは貧血の原因を知りましょう。
貧血の原因には「鉄の摂取性が足りない」「疾患による出血」「胃酸の欠乏により鉄の吸収率が下がっている」などがあります。病気が原因で貧血になっているのなら、病気を治療する必要がありますよね。
鉄の摂取量が足りないのが原因なら、食生活を見直しましょう。鉄分はもちろん、鉄分の吸収を助けるビタミンCや動物性タンパク質を摂るのが望ましいです。
また日本茶・紅茶・コーヒーは鉄の吸収を低下させます。「コーヒーを飲むな」とはいいませんが、飲み過ぎないようにしたいものです。
まとめ
貧血の症状のひとつが頭痛です。
血液検査でヘモグロビンが基準値であったとしても、体内の貯蔵鉄が少なくなっている「隠れ貧血」の人もいます。
頭痛とともに「だるい」「疲れやすい」「肌荒れ」「めまい」などの症状がある場合は、貧血・隠れ貧血による頭痛かもしれません。
食生活を見直し、鉄分や鉄分の吸収を助ける栄養素を積極的に摂取してみましょう。食事だけでは必要量を補うのが難しいなら、市販のサプリメントなどを利用するのも手です。