「睡眠不足が健康によくない」というのは、多くの方が実感していることでしょう。「寝不足の日は頭痛がする」という経験をしたことがある人も多いかも知れません。
実際、睡眠時間や質が不十分だと、心や体にさまざまな異変が起こり、頭痛もそのひとつです。
睡眠不足による頭痛は主に緊張型頭痛ですが、片頭痛も片頭痛が起こる人も。睡眠不足で頭痛が起こるメカニズムと対処法を紹介します。
睡眠不足が緊張型頭痛を引き起こすメカニズム
寝不足によって引き起こされる頭痛の多くは、緊張性頭痛です。睡眠不足が緊張型頭痛を引き起こすメカニズムを解説しましょう。
「不眠や寝不足によるストレス」「睡眠時の寝相の悪さ」「冷え」などによって、肩や首の筋肉が緊張します。また寝不足になると身体の疲れが取れにくくなり、心身にはストレスがかかります。
筋肉の緊張やストレスからくる血流の停滞によって、緊張型頭痛が引き起こされるのです。また「長期間ストレスにさらされてストレスが慢性化することで、脳が痛みを感じやすくなる」という説もあります。
また寝不足による自律神経の乱れも頭痛に繋がる可能性があります。
寝不足になると自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位になります。つまり「リラックスできず、常に緊張しているような状態」になるのです。
交感神経が優位になると血管が収縮している状態が続き、血流が不足。結果として頭痛に繋がるとされています。
寝不足が原因で片頭痛が起こることも
睡眠と片頭痛の関係では「寝過ぎた場合に片頭痛が起きやすい」とよく言われます。
片頭痛は血管が拡張して神経を圧迫することで起こる頭痛。そのため、寝過ぎで副交感神経が過度に優位になり、血管が拡張することで起こりやすいのです。
ただし寝不足も片頭痛に繋がることがあります。「睡眠不足がホルモン分泌や神経伝達物質の増減に作用して、片頭痛が起きるのでは」と考えられています。
睡眠時間だけではなく睡眠の質も大切で、「深睡眠」や「レム睡眠」が不足すると片頭痛が慢性化する原因にもなります。
深睡眠はノンレム睡眠のうち、深く寝入った状態(睡眠段階3~4)を指します。ノンレム睡眠では、大脳が休んでいます。
レム睡眠とは身体が休息している一方で脳が活発に動き、記憶の整理や定着が行われている睡眠状態のことです。
寝不足で頭痛にならないための予防法と対処法
睡眠不足による頭痛を防ぐための方法は、まずなんと言っても「寝ること」です。
忙しくても睡眠時間は確保しましょう。人によって適切な睡眠時間は違いますが、日本人の平均は6~8時間です。
夜にしっかり寝るためには「日中に太陽光を浴びる」「適度な運動をして筋肉をほぐす」「睡眠前に入浴して身体を温める」ことも効果的です。
もし寝不足で頭痛が起きてしまったら、緊張型頭痛(頭が締め付けられるような痛み)の場合は肩や首を温めてみてください。
片頭痛(ズキンズキンと激しく痛む)の場合は、患部を冷やし、暗くて涼しい部屋で目を閉じて横になりましょう。
まとめ
睡眠には、心身の疲れを取り除いてストレスを解消する効果があります。これは多くの人が生活の中で実感していることではないでしょうか。
では寝不足になるとどうなるでしょう。睡眠不足が原因で緊張型頭痛や片頭痛が起こります。
睡眠不足で起こる頭痛は多くが緊張型頭痛ですが、片頭痛を起こす人もいます。
睡眠不足による頭痛を防ぐには、緊張型頭痛であれ片頭痛であれやはり寝ることが大切。日中の過ごし方を工夫するなどして、質の良い睡眠をとれるよう心がけてみましょう。
ただし過眠(寝すぎ)は片頭痛に繋がることがあるので注意してください。