頭痛は大人に限らず、子どもにも起こります。
正確なデータはありませんが「中学生の5%が片頭痛に悩んでいる」と考えている専門家も。
頭痛に悩む中学生・思春期の子どもたちの中には「頻繁に強い頭痛が起こり、学校にいけなくなる」というケースもあり、「たかが頭痛」と放置しておいてよいものではなさそうです。
今回は子どもの頭痛の種類や特徴、対策について紹介します。
子供の頭痛の種類
中学生・子どもの頭痛の原因はいくつかありますので、代表的なものを紹介します。
- 片頭痛
- 緊張性頭痛
- 二次性頭痛
「頭が痛い」と病院を受診する子どもの多くは片頭痛です。
中学生以上では女の子に起こりやすく、子供本人の家族(とくにお母さん)も片頭痛をもっている傾向があります。
片頭痛のほか「緊張性頭痛」もありまs。月に15回以上の頭痛が3ヶ月以上続く「慢性緊張性頭痛」に悩む子どももいます。
発熱をともなう頭痛などは、何らかの病気が原因で引き起こされている「二次性頭痛」の可能性が高いです。
原因になる病気としては「感染症」「髄膜炎」「脳炎」「もやもや病」「脳腫瘍」などが考えられます。
片頭痛の特徴・症状
片頭痛の特徴は、ズキンズキンという強い痛みを感じること。「吐き気」や「光、音、匂いに敏感になる」「顔色が悪くなる」などの症状をともなうこともあり、日常的な行動ができなくなるケースも。
なお「片頭痛」という名前ですが、頭の片側だけではなく、両側が痛むこともあります。
子供の場合、大人と比べて痛みが続く時間は短く、睡眠によって改善することが多いです。
子どもの片頭痛の原因として考えられているのは「睡眠不足」。中学生は塾通い習い事などで夜遅くまで起きているため、片頭痛が起こるのではを考えられています。
また大人同様、強い光、人混み、匂い、食べ物などがきっかけで片頭痛が起こることも。花粉症との関連を示唆するデータもあります。
対処法としては、まず片頭痛が起きたときは暗めの静かな環境で休ませ、鎮痛剤などを飲ませます。予防策としては「早めに寝る」など生活習慣の改善を考えましょう。
緊張性頭痛の特徴・症状
緊張性頭痛は「ダラダラと締め付けられるような痛みが長く続く頭痛」です。
片頭痛のように「吐き気がする」ほど強い症状はでませんが「光や音に敏感になる」症状は出ることがあります。
片頭痛と緊張性頭痛を両方もっている子どももいますし、片頭痛と診断された頭痛が緊張型頭痛に変化したり、その反対もあります。
緊張性頭痛の主な原因は姿勢の悪さやストレスと考えられています。
例えば「スマートフォンの使い過ぎで姿勢が悪くなり、肩こりから緊張性頭痛に」「学校でのストレスが頭痛につながる」というケースがあります。
起こる頻度は「1カ月に1日未満」「1ヶ月に15日以上」など、子どもによりさまざま。
緊張性頭痛は長く続く頭痛なので、鎮痛薬を飲ませるタイミングが難しく、薬が効いているかどうかもはっきりしません。「早寝早起き」「正しい姿勢」など、生活習慣を整える非薬物療法が取られることが多いです。
まとめ
子どもの頭痛は「たかが頭痛」と放置せずにケアしてあげることが大切です。
子どもの片頭痛の原因としては睡眠不足、緊張性頭痛の原因としては姿勢やストレスが挙げられます。
重大な病気が原因で頭痛が起こっている可能性もあるので「月に何度も頭痛を訴える」「日常生活に支障が出ている」などの場合は小児科などで診察してもらってはいかがでしょうか。
まだ数は少ないのですが「子どもの頭痛外来」を設けている病院や、子どもの頭痛治療に積極的に取り組んでいる小児科もあります。