生理中に起こる頭痛で困っている女性も多いのではないでしょうか。
実は頭痛も月経周期による体の不調のひとつ。
生理中に起こる頭痛には、ズキンズキンと激しい痛みを感じる「片頭痛」と、頭が締め付けられるように重く痛む「緊張性頭痛」があります。
この2つの頭痛は対処法が異なるため、自分の頭痛がどちらなのか見極めることが大切です。
生理中に起こる頭痛の症状、原因、対処法を紹介します。
生理中に起こる頭痛の症状
生理中に起こる頭痛には「片頭痛」と「緊張性頭痛」の2種類があり、症状が違います。
とくに生理との関係が深いと言われているのが「片頭痛」。頭がズキンズキンと脈打つように痛んだり、体を動かすと頭に響いたりするのが特徴で、とてもツライ症状です。
生理と関連して起こる偏頭痛は「月経関連生理痛」と呼ばれ、普通の偏頭痛よりも症状が長く強い傾向があります。
一方、生理時には「緊張型頭痛」が起こることもあります。緊張型頭痛は片頭痛ほど激しい痛みではなく、頭が締め付けられるように重く痛むのが特徴的です。
続いて、それぞれの頭痛がなぜ起こるのか、その理由を説明します。
なぜ生理中に頭痛が起こるのか
月経関連偏頭痛が起こるのには、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が関係していると考えられています。
エストロゲンは「代謝アップ」や「精神状態の安定」などの作用があるホルモン。
エストロゲンは月経周期に合わせて増減し、排卵前が分泌のピークとなります。排卵後には急減、黄体期にやや増えて、生理前にまた減少するのです。
エストロゲンが減少すると、血管を収縮させる脳内物質であるセロトニンも減少するため、頭の血管が拡張して片頭痛が起きると言われます。
緊張性頭痛は片頭痛とは違うメカニズムで起こり、主な原因は生理痛のストレス・疲れ・筋肉の緊張などだとされています。
ストレスや緊張で血流が悪くなり、神経を刺激して頭痛につながってしまうのです。
生理中の頭痛への対処法
月経関連片頭痛は血管の拡張によって起こっている頭痛です。そのため以下のような対処法が有効です。
- 痛い部分を保冷剤などで冷やす
- こめかみを押さえる
- 暗い静かな部屋で横になる
拡張している血管をさらに広げてしまうため、片頭痛のときはマッサージ・入浴・運動などは避けましょう。
生理中のストレスなどによる緊張型頭痛の場合は、偏頭痛とは反対に入浴やマッサージが有効です。対処法を紹介しますね。
- 入浴などで体を温める
- ストレッチやマッサージで血流をよくする
対処法が正反対なので、片頭痛なのか緊張性頭痛なのかを見極めてから対処するようにしましょう。
基礎体温表をつけたり、頭痛が来たタイミングをメモしておくなど、自分自身の体調サイクルを知ることも大切。
「この日に頭痛が起こりそうだな」とわかれば、可能な範囲で予定を調整したり、頭痛薬を携帯して出かけるなどの対策がしやすくなります。
まとめ
生理中に起こる頭痛には、ホルモンバランスの変化によって起こる「月経関連片頭痛」と、生理のストレスなどで引き起こされる「緊張性頭痛」があります。
片頭痛は「ズキズキした激しい痛み」、そして緊張性頭痛は「締め付けられるような重い痛み」が特徴です。
片頭痛への対処法としては「静かで暗い環境で休む」「痛い箇所を冷やす」などがあります。
緊張性頭痛には「体を温める」「ストレッチやマッサージ」など、血流を良くする対処法が有効です。
「生理中の頭痛があまりにツライ」などの場合には、我慢せずに婦人科などを受診するのも手。トリプタン製剤などによる治療が行われます。