「重たい感じの頭痛があり、かつ鼻水や嫌な臭いに悩んでいる」という人はいませんか?
風邪が治ったはずなのに頭痛と鼻水などの症状が続く場合には、蓄膿症・副鼻腔炎が疑われます。
蓄膿症・副鼻腔炎によって頭痛と嫌な臭いが起きるメカニズムと対処方法をご紹介します。
蓄膿症や副鼻腔炎とは
「蓄膿(ちくのう)症」とは一般的に「慢性の副鼻腔(ふくびくう)炎」を指す俗名です。
副鼻腔とは頬・おでこの下・目のまわりにある骨の空洞部分のこと。
ウイルスや細菌が原因で副鼻腔に炎症を起こしている状態が「急性」の副鼻腔炎。膿が排出できなくなって炎症が悪化している状態が「慢性」の副鼻腔炎であり蓄膿症です。
蓄膿症は副鼻腔内に溜まった膿が排出できない状態なので、「鼻づまり」「鼻をかんでもかみきれない」「嫌な臭いがする」などの症状も起こります。
風邪のウイルスや風邪による鼻詰まり、アレルギー体質、ぜんそく、歯周病、鼻水が出にくい鼻の形、ストレスなどが蓄膿症の原因になると考えられています。
蓄膿症や副鼻腔炎で頭痛が起こることがある
蓄膿症・副鼻腔炎の主な症状は以下のとおりです。
- 息苦しい
- ドロっとした鼻水がでる
- 鼻をかんでもかみきれない
- 声がうまく出せない、夜に咳が出る(後鼻漏)
- 目や鼻の周りが痛い
- 歯が痛い
- 鼻汁のせいで嫌な臭いを感じる
- 頭が痛い
- 重い
臭いについては「鼻から臭いがする」と感じる人も、「口臭がする」と感じる人もいます。
また副鼻腔炎のせいで「頭が重くだるい」「頭痛がする」「勉強や仕事に集中できない」といった症状も出ます。
副鼻腔炎が頭痛につながるメカニズムは明らかになっていないのですが、考えられる原因としては「炎症が三叉神経(顔の皮膚などの感覚を司っている神経)を刺激すること」が挙げられます。
副鼻腔炎による頭痛では「目の奥やおでこが痛い」と感じることが多いのが特徴。痛みは人それぞれなのですが、突然強い頭痛を感じる人も。
またもともと片頭痛をもっている人が副鼻腔炎になると、片頭痛の悪化につながるケースがあります。
蓄膿症や副鼻腔炎になったらどこを受診すれば良い?
蓄膿症・副鼻腔炎と思う症状がでたら、できるだけはやく耳鼻科を受診するのがオススメ。
蓄膿症・副鼻腔炎のセルフケアとしては「点鼻薬を使って鼻づまりを解消する」などがありますが、何度も市販薬を使っていると効かなくなってくるケースも。
早めに病院を受信して、医師の指導のもとでセルフケアを行うようにしましょう。
耳鼻科では、鼻水の吸引・洗浄、副鼻腔への薬を噴霧、抗菌薬(抗生剤)の服用などの治療が行われます。吸引や薬で改善されない場合には、外科手術を行うケースが多いです。
なお近年増えているとされるのが、アレルギー反応が原因の「好酸球性副鼻腔炎」です。
好酸球性副鼻腔炎はステロイド内服薬や外科手術で治療しますが、再発することが多く、厚生労働省から難病に指定されています。
まとめ
蓄膿症・副鼻腔炎が原因で頭痛が起きることがあります。
頭痛と一緒に「鼻水」「鼻や口から嫌な臭いがする」と感じる場合には、蓄膿症・副鼻腔炎を疑ってみてください。
蓄膿症・副鼻腔炎は風邪をこじらせたときに起こるほか、アレルギー体質、鼻の形などによっても起こります。
放置していると慢性化する可能性があるので、気になる症状があれば「ただの鼻詰まり」「ただの頭痛」と油断せず、早めに耳鼻科を受診して適切な治療を受けましょう。
耳鼻科では薬や手術による治療が行われます。