自律神経が乱れるとさまざまな不調が起こります。頭痛も症状のひとつです。
自律神経の乱れによる頭痛の場合「頭痛外来を受診したものの、検査では異常なしと言われてしまった」という人も。そのため「なぜかわからないけど頭痛がする」と悩むケースも多いです。
この記事では「自律神経の役割」「自律神経が乱れる原因」「自律神経の乱れによる頭痛を予防する方法」について解説します。
自律神経とは?
自律神経は内蔵の働き・代謝・体温などを調整する神経です。人間の意思とは関係なく、24時間働き続けているのが特徴です。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類があり、2種類の神経がバランスよく作用することによって、身体の調子をコントロールしています。
交感神経と副交感神経の主な働きは以下のとおりです。
- 交感神経:心身が興奮状態になる。血圧上昇・瞳孔拡大など
- 副交感神経:心身がリラックス状態になる。血圧低下・心拍数減少など
交感神経と副交感神経のバランスが乱れてしまうと、心身に不調が現れます。自律神経が乱れて不調が出ている状態を「自律神経失調症」と呼び、以下のような症状が出ます。
- 身体のだるさ、疲れやすい
- 吐き気
- 便秘、下痢
- 身体のほてり、暑くないのに汗が出る
- 冷え
- 動悸、息切れ
- 頭痛めまい
- 筋肉痛、関節痛
ざっと挙げただけでもさまざまな症状があることからわかる通り、自律神経失調症であらわれる症状は個人差が大きいです。
なお自律神経失調症によって引き起こされる頭痛には、「片頭痛」や「緊張性頭痛」があります。
自律神経が乱れる原因
自律神経のバランスが乱れる原因には、さまざまなものがあります。代表的な原因をいくつか紹介します。
- ストレス
- 過労
- 寝不足、不規則な生活
- 更年期障害(ホルモンバランスの変化)
- うつ病、不安症
- 体質的に自律神経が乱れやすい
ストレスの原因になるものは、人によって違いますよね。「仕事や人間関係での悩み」が原因になる人もいれば、季節や気温の変化などの「身体的ストレス」が原因になる人もいます。
パーキンソン病・レビー小体型認知症といった疾患による症状のひとつとして、自律神経失調症が見られることもあります。
そのため病院では自律神経失調症の原因になっている疾患がないかを検査した上で治療を行うことになります。
自律神経の乱れによる頭痛を予防する方法
自律神経失調症の原因となっている疾患がなく、心身のストレスが症状を引き起こしている場合には、以下のような対処法・予防法がとれます。
- 十分な睡眠・休息をとる
- 規則正しい生活リズムを意識する
- アルコール・カフェインを摂りすぎない
- ストレスをひとりで抱え込まない
- リラックス方法を見つける(深呼吸など)
また病院での治療では、症状を和らげるために「自律神経調整薬」「漢方薬」「ホルモン剤」などが用いられることもあります。
まとめ
自律神経が乱れると、片頭痛や緊張性頭痛につながることがあります。
自律神経は内蔵・代謝・体温などを調節している神経で、自律神経のバランスが乱れるとさまざまな不調があらわれてしまうのです。
自律神経失調症があらわれる原因は、ストレス・過労など。なおストレスの原因は精神的なものだけではありません。気温や光の変化で知らず知らずのうちにストレスを溜めてしまう人もいます。
ストレスが原因で自律神経失調症になって頭痛が出ている場合には、いくつかの対処法・予防法があります。
まずは睡眠や休息をしっかりとり、リラックスできる環境を整えましょう。生活リズムを規則正しくするのも効果的です。