「生理前はひどい頭痛がする」「頭痛のせいで仕事や勉強に集中できず困っている」という女性も多いのではないでしょうか。
特に月経前から頭の片側だけが痛む「片頭痛」に悩まされる女性が多いと言われています。中には「生理前は頭痛薬を飲んでも、痛みがマシにならない」という人も。
毎月頭痛に悩まされるのは、本当にツライですよね。
生理前の頭痛は、ホルモンバランスの変化によるもの。また生理前、身体に水分が溜まりやすいことも、頭痛の原因になると言われます。
今回は生理前の頭痛について解説します。
生理前の頭痛はホルモン分泌の影響を受けている
生理前の頭痛は、排卵後にやってくる黄体期に、エストロゲンの急激な減少により引き起こされると考えられています。
エストロゲンは卵胞ホルモンとも呼ばれ、「代謝アップ」「肌を整える」などの作用があります。
このエストロゲンが減少すると、セロトニンも減少します。
セロトニンは脳内で働く物質で、精神を安定させる働きがあるほか、血管を収縮する作用もあります。セロトニンが減少すると脳内の血管が拡張し、頭痛が起きやすくなるのです。
このように引き起こされる生理前の頭痛は、痛みが強いうえ、長く続く傾向があります。「市販の鎮痛剤を飲んでも、あまり効かない」と悩む人も少なくありません。
生理前に頭痛以外に起こりやすい症状
生理前、頭痛以外のさまざまな不調を感じる女性も多いです。代表的なものを挙げてみますね。
- イライラしやすいなど、情緒不安定になる
- 睡眠障害(過眠・不眠)
- 下腹部痛
- めまい
- 胸の張り・痛み
- 関節痛・筋肉痛
- むくみ・体重増加
- 過食傾向
- 疲れやすくなる
- 気力がなくなる
- 集中力の低下
- ニキビ
- 肌荒れ
上記のような生理前の諸症状をまとめて「PMS(月経前症候群)」と呼びます。PMSは一般的に生理の3~10日前から症状が始まり、生理が始まると軽快するものです。
PMSの原因は明確にはなっていないのですが「エストロゲンなど女性ホルモンの変動」と「ストレス」が大きく影響していると考えられています。
生理前の頭痛を予防するために必要なこと
実際に頭痛がしているときには、対症療法として鎮痛剤などを使います。その他、日常生活で取り組める予防法もありますのでいくつか紹介しますね。
- 生理前は、血管を拡張させるチーズやアルコールを控える
- カフェインを控える
- マグネシウムが豊富な食材(海藻など)を摂取する
- 大豆製品でイソフラボンを摂取する
カルシウム、ビタミンB6、ビタミンEの摂取もよいといわれています。
まずは「生理○日前くらいから、頭痛が起こりやすいな」というタイミングを把握したうえで、取り入れられそうな食生活改善からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
なお医療機関でPMSの治療をする場合には、漢方療法や排卵抑制療法などが用いられます。
漢方療法でよく使われるのは、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遥散、桃核承気湯、女神散、抑肝散など。
排卵抑制療法では、低用量ピルが用いられ、低用量ピルの内服期間中だけ排卵をストップさせて女性ホルモンの変動を抑えます。
まとめ
生理前にひどい偏頭痛に悩まされる女性は少なくありません。
生理前の頭痛の原因は、ホルモンバランスの変化だと言われています。エストロゲンの減少がセロトニンの減少を引き起こし、頭痛が起こりやすくなるのです。
生理前には、頭痛以外にも腹痛やめまいといった不調を訴える人も。
自分でできる予防法としては、食生活の改善が挙げられます。カフェインやアルコールを控え、ビタミンやミネラルを意識した食事を摂りましょう。
病院で治療を受ける場合には、漢方療法や低用量ピルを用いた排卵抑制療法が行われます。