片頭痛に悩まされている方の中には、「頭が痛くなる前に、キラキラした光が見える」「光が広がっていき、やがて暗くなって見えなくなる」という人も少なくありません。
これは「閃輝暗点(せんきあんてん)」という症状で、代表的な偏頭痛の前兆です。視覚に異常があらわれますが、目の病気ではなく脳の血流悪化が原因だと考えられています。
この記事では「片頭痛の前に起こるキラキラ」の予防法や、なってしまったときの対処法についてお伝えします。
片頭痛の前に起こるキラキラ「閃輝暗点」とは
閃輝暗点の症状は以下のようなものです。
- 視野の真ん中あたりにキラキラがあらわれる
- ギザギザした光の波が広がる
- 目を閉じていてもキラキラは見える
- 20分以内に消える
閃輝暗点は視覚にあらわれる症状ですが、眼(眼球)の病気ではありません。閃輝暗点の詳しいメカニズムは解明されていませんが、脳の血流悪化が原因だと考えられてます。
閃輝暗点の症状が治まったあとに片頭痛が起こることが多く、代表的な「片頭痛の前兆」
といえます。
また中には「頭痛がないのに閃輝暗点を繰り返す」という人も。この場合は、目に異常が起きているのかもしれません。
頭痛を伴わない閃輝暗点でも、放置せず医師に相談することをおすすめします。
またレアなケースではありますが、脳梗塞や脳出血が原因で閃輝暗点を発症することも。この場合は速やかに脳神経外科・脳神経内科で検査をしてもらう必要があります。
閃輝暗点と片頭痛の予防法・対処法
閃輝暗点は「収縮した血管が拡張したタイミング」で起こりやすいです。例えば以下のような状況です。
- ストレスから解放されて一息ついたとき
- チョコレート・チーズ・ピーナツを食べた後
- ワインを飲んだ後
「自分の場合、こういうタイミングで閃輝暗点と片頭痛が起こりやすい」と気づいたら、その原因は避けるようにしましょう。
また普段からできる予防法としては、以下のようなものがあります。
- 十分な睡眠
- 規則正しい生活リズム
- 適度な運動やストレッチ
- 栄養バランスのとれた食事
そして閃輝暗点が起こり片頭痛に繋がりそうなときの対処法はこちら。
- 鎮痛剤を飲む
- 暗くて涼しい場所で休む(できれば横になる)
閃輝暗点以外の片頭痛の前兆は
片頭痛の前兆として最も一般的なのは、閃輝暗点を含む「視覚の異常」です。ただ閃輝暗点以外にも、片頭痛の前兆はあります。
視覚の異常以外で起きるものには、まず感覚症状があります。「チクチク感を覚える」とか「身体の感覚がなくなったように感じる」というものです。
またまれに言語症状が出ることも。「言葉がうまく話せない」といった失語症状などです。
その他に「手足に力が入りにくくなり、徐々に身体の半分が動かなくなる」「バランス感覚がなくなる」「めまい」「ものが二重に見える」などの前兆が出る人もいます。
また前兆の前に「予兆」を感じる人も。予兆としては、疲労感・集中できない・光や音に敏感になる・あくびがよくでる・顔色が悪くなるなどの症状があります。
まとめ
片頭痛の前に起こる「キラキラ」は閃輝暗点(せんきあんてん)といい、代表的な片頭痛の前兆です。
視覚にあらわれる症状ではありますが、眼球の病気ではなく、脳の血流異常が原因だと考えられています。
仕事が一段落するなど「プレッシャーから解放されてホッとしたとき」といった場合に起こることがあります。
片頭痛持ちで閃輝暗点が起こってしまったら、早めに鎮痛剤を飲んで、静かな環境で休みましょう。
頭痛を伴わない閃輝暗点は目の病気の可能性がありますので、眼科を受診してください。