保存療法ではなかなか効果が見られなかったり、早期の回復を希望する場合、脊柱管狭窄症に対し手術が検討されます。
手術では原因となっている部分を直接取り除くことができるため、高い効果が期待できます。
しかし、手術をすれば全ての問題が解決されるわけではありません。術後に再発するケースや合併症、後遺症のリスクも存在するのです。
そのため、手術に関しては慎重に考えなくてはいけません。
この記事では、脊柱管狭窄症の手術のリスクや合併症、後遺症だけでなく、術後のリハビリや費用についても解説しています。
手術を検討している方はぜひご覧ください。
脊柱管狭窄症の手術のリスク
どのような疾患の手術においてもある程度のリスクは伴います。
脊柱管狭窄症の手術自体のリスクとしては、感染症、呼吸器系の合併症、神経損傷などがあります。内視鏡で行われることもありますが、たとえ小さく切開するとしても合併症のリスクはゼロではありません。
また、ある調査によると、脊柱管狭窄症の手術治療の長期成績は4~5年の経過では70~80%の患者さんが良好だというデータが出ています。
同様の調査が他にも複数ありますが、やはりそこでも4~5年目の手術成績は60~80%が良好だというデータが多いですね。
裏を返せば手術が無事成功したとしても20~40%の患者さんは4~5年経過するまでになんらかの症状が出現してしまっているということです。
手術中のリスクだけでなく、手術後に再発してしまうリスクも念頭に置かなければいけません。
参考資料
脊柱管狭窄症の手術の後遺症
脊柱管狭窄症の手術を行い後遺症が残ることもあります。
例えば以下のようなものです。
- 神経損傷
- 硬膜損傷
- 傷の感染
- 血種
- 肝機能・腎機能障害
- 血栓症
例えば神経損傷を起こしてしまった場合、術後に神経麻痺を残してしまう危険性があります。また、術後の傷口からの出血がなかなか止まらず血種ができてしまうことも。
血種ができてしまうと、脊髄や末梢神経が圧迫され麻痺や痛みが発生することもあるでしょう。
また、もともと肝臓や腎臓が悪い方は麻酔薬や術後の抗生物質、鎮痛薬などで肝機能障害や腎機能障害が起こる可能性もあります。
もちろん確率としてそこまで高いものではありません。そのため、異常に恐がる必要はないでしょう。
しかし、手術=絶対に治ると思うのも間違いです。正しい知識を身に着けたうえで手術に臨むことをおすすめします。
先述した手術中のリスクだけでなく、後遺症や再発の可能性も考慮して手術をするかどうかを慎重に決めていきましょう。
脊柱管狭窄症の手術後の運動・リハビリ
脊柱管狭窄症は手術が完了したからといってそこで終わりではありません。術後の運動やリハビリをしっかりこなさなければ、運動機能は戻ってこないからです。
そのため、手術・リハビリはセットになっていると考えておきましょう。
術後のリハビリの内容としては、関節の可動域を向上させるものや筋力やバランス機能を回復させるものが中心になります。
一般的には、手術を行い数週間は入院をしながらリハビリを実施。その後は退院し、リハビリ外来に通いながら体を回復させていく流れです。
もちろん病院やクリニックによって、治療方針が異なります。そのため医師とよく相談し、手術内容だけでなく術後の計画も話しておきましょう。
脊柱管狭窄症の手術費用
脊柱管狭窄症の手術費用はどのような方法を選択するかによって大きく異なります。
方法によっては20万円程度で収まるものもあれば、100万円を超えてしまうような手術もあります。また、高度な手術になると限られた医師しか担当できないため病院によって選択できる手術法も異なるのです。
脊柱管狭窄症の手術の種類や費用に関しては、以下の記事に記載しています。ぜひ、ご覧ください。
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まとめ
脊柱管狭窄症を発症してしまうと、日常生活に大きな支障をきたしてしまいます。
間欠性跛行という、『長く歩くと足が痛む』症状が出ることによって旅行や外出もできなくなってしまうこともあるでしょう。
手術をすれば原因部位が取り除かれるため、根本的な解決になることもあります。
しかし、手術のリスクや後遺症があることは忘れてはいけません。また、術後のリハビリとセットだということも頭に入れておきましょう。
ちなみに当院では脊柱管狭窄症の施術に対し力を入れています。
手術を回避できた方も多数いるため、お力になれるかもしれません。ぜひ、ご相談ください。