腰の痛みを慢性的にもつ人は多い。
加齢と共に増加するが、20代でも腰の痛みに悩む人もいる。
しかし、お尻、足の痛み・しびれや歩行がつらい、便秘や排尿の悩みがあるという人は、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症を発症している可能性がある。
どちらも症状か類似しているため、なかなか自己判断はつきにくいので、病院の正確な受診が必要だが、それぞれの特徴や原因が気になる人もいるだろう。
今回は、腰椎椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症の症状や原因について簡単にまとめた。
腰の痛みに悩む人は、ぜひ参考にしていただきたい。
椎間板ヘルニアの症状
腰椎椎間板ヘルニアの主な症状は
- 腰やお尻、足の痛み・しびれ
- 下半身が動かしにくい・力が入りづらい
- 前かがみが辛い、痛い。
- 1時間程度の歩行がつらい。
- 便秘や尿もれなど、排泄障害(ひどくなってきた場合)
腰椎椎間板ヘルニアとは、背骨の骨と骨の間にある椎間板というものの一部が飛び出して神経に当たり、手足の痛み、しびれなどの症状が出る病気だ。
腰椎椎間板ヘルニアは、急性型と慢性型がある。
急性型は、重たい荷物を急に持ち上げたときや、くしゃみをしたときに起こるもので、なった瞬間鋭い痛みがあ、次第によくなってくる。
しかし、放っておくと慢性的な痛みに変わる場合もある。
慢性型は、長時間同じ姿勢であったり、腹筋や腰回りの筋肉が弱かったり、姿勢が悪い状態が続いていたりすると、発症する可能性がある。
脊柱管狭窄症の症状
脊柱管狭窄症の症状は、
- 腰やお尻、足の痛み・しびれ
- 下半身が動かしにくい・力が入りづらい
- 後ろに反る姿勢がつらく、前かがみになったり座ったりすると楽になる
- 間歇性跛行(かんけつせいはこう)*歩いているとしびれて歩けなくなるが、しばらく休むとまた歩けるようになるという症状。
- 排尿障害や便秘*頻尿、夜間尿から残尿感、失禁に進行
脊柱管狭窄症は、加齢、労働、あるいは背骨の病気による影響で変形した椎間板と、背骨や椎間関節から突出した骨などにより、神経が圧迫される病気。
脊椎椎間板ヘルニアとの大きな違いは、間歇歩行や前かがみになったり座ったりすると楽になることや間歇性跛行である。
それぞれの原因の違い
腰椎椎間板ヘルニアは、多くの場合日々の生活の中で椎間板への負担が積み重なり発症する。
長時間の車の運転や中腰での作業、重いものを持つなど、腰に負担のかかりやすい生活を送っている人ほど腰椎疾患を発症しやすい。
また、 喫煙・遺伝なども腰椎椎間板ヘルニアの発症に影響があると言われている。
発症は、20代〜40代の活動性の高い年代に多い。
脊柱管狭窄症の原因は、そのほとんどが加齢に伴う組織の変性や姿勢バランスが崩れたものによるものだ。
神経の近くにある椎間板が膨らんだり、脊柱管の後方にある黄色靱帯が厚くなったり、椎骨をつないでいる椎間関節に骨棘(骨がとげのように変性したもの)ができたりすることで神経が圧迫され、症状が現れる。
また、他にも骨粗しょう症や、脊椎周辺にできた腫瘍が原因となるケースもある。
発症は70代前後が最も多く、加齢に伴って増える傾向にある。
まとめ
腰痛の原因となる、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の治療は医療機関の受診が必要だ。
症状に大きな違いはないが、発症年齢や原因、身体を反らしたときの痛みの有無など、わずかな違いもあるので、参考にしていただきたい。
また、腰の病気の予防や改善は、正しい姿勢で歩いたり座ったりして生活することが第一歩である。
また、発症していないときには、軽いストレッチや運動も取り入れ、筋肉を伸ばしたり鍛えたりするのがおすすめだ。
日頃から腰に負担をかけない健康的な生活にすることを心がけよう。