椎間板ヘルニアで腰が痛いとき「お風呂に入って身体が温まったら、腰痛がマシになるのでは?」と考える人もいるのはないでしょうか。
確かに慢性的な痛みの場合には、入浴によってリラックス効果や血行促進による痛みの緩和効果を得られます。
しかし患部に炎症がある場合、お風呂で身体を温めることで痛みが悪化しかねません。
ですから椎間板ヘルニアを患う人のお風呂は、慎重に判断する必要があります。
椎間板ヘルニアの症状が現れはじめたばかりのとき(急性期)は安静が基本なので、医師から「入浴禁止」と言われることもありますし、慢性期でも医師に確認してから入浴すべきです。
「椎間板ヘルニアとお風呂」に関する注意点について解説します。
急性期は避けたほうが無難
椎間板ヘルニアの症状が出はじめた「急性期」には、医師から「安静にしておくように」と言い渡されることがあります。
できるだけ腰を動かさないようにするため、入浴も禁止される可能性があります。
この場合は、医師の指示に従って、入浴は避けてください。
「お風呂に入れないなら、湯たんぽで腰を温めようかな」と考える人もいるかもしれません。
しかし椎間板ヘルニアも含めた「患部で炎症が起こっている可能性がある」腰痛は、お風呂以外の「身体をあたためること」に注意が必要。
炎症がある場合、身体があたためられることで痛みが増してしまう可能性があります。
自己判断で患部を温めるのは避けてください。
慢性期では医師の確認のもと入浴可能
椎間板ヘルニアの症状が出てからしばらく日数が経ち、強い痛みがなくなってきた場合には、医師に相談してから入浴しましょう。
医師の許可をもらえたとしても、もしお風呂に入ってみて症状が悪化するなら、入浴は中止してください。
また「長時間、熱いお風呂につかる」のは、炎症を再発させる可能性があります。
熱めのお湯や長風呂が好きな人も、腰のために少し我慢して、温度はぬるめ(40度程度)、時間は15~20分以内にしましょう。
可能なら、いきなり40度のお湯につかるのではなくて、湯船に入ってから水温をあげていくと刺激が少なくすみます。
椎間板ヘルニアの人は、湯船で体育座りをすると腰痛やしびれを感じることもあるので、湯船用のイスを用意しておくと安心です。
お風呂に入るのが怖い場合、足湯でも血液循環が良くなる
医師から「入浴してもいいですよ」と言われたものの、まだ腰に強い痛みやしびれがある場合、「湯船をまたぐときに転んでしまわないか」「無事に入浴できるか」と不安に感じますよね。
湯船に入るのは怖いけれど「身体を温めたい」という場合には、足湯から始めるのがオススメ。
「足だけ?」と思うかもしれませんが、足湯は血行を促してくれます。
副交感神経を優位にしてくれるため、リラックス効果や入眠効果も高まり、腸のぜん動運動を活性化して便秘にも効果が。
実は腰椎椎間板ヘルニアが原因で便秘がちになってしまう人もいるんです。
「そういえば、ヘルニアになってから便秘だちだな」が気づいた人は、便秘に効果があるバスソルトやエプソムソルト(硫酸マグネシウム)を混ぜて足湯に使ってみましょう。
まとめ
椎間板ヘルニアの人の入浴には、いくつかの注意点があります。
症状が出てすぐは、安静にするよう医師から指示されることが多いので、入浴もできるだけ避けましょう。
症状が落ち着いたら、医師に相談した上で、ゆるめ&短時間で入浴を開始。
入浴して血行が促進されることで痛みが和らいだり、回復をサポートできます。
ただし、痛みやしびれが悪化するときには、お風呂は中止してください。
お風呂に入るのが怖い場合は、足湯での血行改善から始めるのがオススメです。