お酒好きな方は、「椎間板ヘルニアになってしまったけど、お酒は飲んでもいいのかな?」と気になっているのではないでしょうか。
中には「酒は百薬の長!痛みも和らぐはず」と考えている人もいるかもしれませんね。
結論をいいますと、症状が出てすぐや、薬を処方されているときは、お酒は避けましょう。
急性期の飲酒は炎症が悪化し、痛みがひどくなる可能性があるからです。
症状が落ち着けば飲酒は可能ですが、飲み過ぎにはくれぐれも注意が必要。
今回は「腰椎椎間板ヘルニアとお酒」について解説します。
痛みがひどいときはお酒は飲まないほうが良い
腰椎椎間板ヘルニアになってすぐ、症状がひどいときには、アルコール摂取は避けてください。
痛みがひどいとき、身体の中では炎症が起こっています。
飲酒によって体温が上昇して血行がよくなると、炎症を起こしている部分の血行もよくなってしまい、炎症が悪化し、痛みが強くなります。
また急性期には痛み止めの薬を処方されることがあり、薬を飲んでいるときも飲酒は避けたほうが無難。
お酒と薬を同時に摂取すると、薬が効かなくなったり、反対に効きすぎたり、副作用が起きたりする可能性があるからです。
慢性期は飲んでもOK!でも、飲みすぎは禁物
痛みが起きてすぐの「急性期」から、症状が落ち着く「慢性期」に入ったら、飲酒も可能です。
「百薬の長」といわれるだけあり、少量のお酒は「痛み」に対しても有効。
飲酒によって血行がよくなり、発痛物質を洗い流してくれるといわれていますし、アルコールが入ることによって痛みを感じにくくもなります。
ただ「痛みを感じにくくなる」という点には注意も必要。
痛みを忘れてはしゃいで無理な動きをしたり、飲み過ぎてフラフラと歩いていて転んだりすると、炎症や痛みが悪化したり、別のケガをしたりする可能性も。
くれぐれも飲み過ぎないように注意しましょう。
なお腰椎椎間板ヘルニアの急性期にみられる強い痛みは、人によっては、お酒を飲んでも楽にならないレベルです。
実はアルコール摂取過多になると血流不全に
さきほど「少量のアルコールを飲むと体温があがって、血流が良くなる」と説明しました。
しかしお酒を飲み過ぎた場合には、血流不全を招いてしまうんです。
お酒を飲むとトイレに行きたくなる人は多いと思いますが、これはアルコールに利尿作用があるから。
飲酒により身体の水分が失われて、血液がドロドロになって流れにくくなります。
またアルコール分解には体内の「ビタミンB1」を使います。
ビタミンB1は糖がエネルギーに変え、筋肉疲労を防ぐ働きのあるビタミン。
飲みすぎてこのビタミンB1が消費されすぎると、筋肉疲労から血行不良につながることもあるので注意が必要です。
まとめ
腰椎椎間板ヘルニアになったばかりの「急性期」には、お酒を飲むのは我慢してください。
痛みが強まったり、処方されている薬の副作用があるかもしれません。
症状が落ち着けば飲酒可能で、少量のお酒には「血行促進」やリラックス効果もあります。
「少量のお酒」の定義は、一般的に男性では「ビール中瓶1本まで」または「日本酒1合まで」といわれており、飲むと顔が赤くなる人の「適量」はさらに少量。
飲み過ぎは、さらなる怪我や炎症の悪化を招きます。
お酒を飲むときには、「正直、まだ飲み足りないな」と思っても、きちんと適量を守りましょう。