ストレスからくる肩のハリは、自律神経の乱れや筋肉の緊張によるものがほんとんです。その影響でしびれを感じてしまうこともしばしばあります。
しかし、なかにはそのしびれが病気の前兆になっているものもあります。あなたも肩のハリからくる手のしびれを感じ、病気ではないかと不安になっていませんか?
本記事ではしれびが病気の前兆として表れている可能性があるケースをご紹介します。
手のしれびを引き起こす原因
手のしびれはストレス以外では主に神経や血管の問題によって引き起こされます。正座をした際などにしびれることもありますが、その場合は問題のないしびれのためすぐに治ります。問題となるのは継続的にしれびを感じてしまうケースです。
しびれを引き起こす代表的な疾患に以下のようなものがあります。
- 手根管症候群
- 頚椎症性神経根症
- 胸郭出口症候群
- 頚椎椎間板ヘルニア
- 脳卒中
これらが代表的なしびれを引き起こす疾患です。それぞれ解説していきます。
手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)
手根管症候群とは、手首の部分で神経が圧迫され、しびれを感じてしまう疾患です。主に手や指にしびれを感じることが多いです。手根管症候群は以下のような人がなりやすいといわれています。
- 妊娠・出産期や更年期の女性
- 仕事で手をよく使う方
手根管症候群の特徴
この疾患はしびれが現れる部位に特徴があります。基本的には親指、人差し指、中指、薬指にしびれが出現します。小指にはじびれがでないことが多いです。
朝起きた時の手のこわばり感なども感じることもあり、ひどくなると細かなものがつかめないなどの生活上の支障がでてきます。
頚椎症性神経根症(けいせいしょうせいしんけいこんしょう)
首の骨が加齢によって変形し、神経を圧迫してしまうことによって起こります。しびれの強さは軽いものから強いものまで状態によってさまざまです。頚椎症性神経根症は以下のような人がなりやすいといわれています。
- 仕事や家事で首に負担にかかりやすい人
- 50歳以降の方
頚椎症性神経根症の特徴
多くは肩~腕にかけてしびれが出ることが多いとされています。しかし、人によっては手や指にしびれがでる場合もあります。
首の骨が変形したことによって起こるため、上を向いたときなどに症状がひどくなるケースが多いです。例えば、うがいをするときなどです。
また、しびれだけでなく腕の力がはいりづらいなどの症状も現れるケースがあることもあり日常生活に支障をきたしてしまいます。
胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)
胸郭出口症候群とは鎖骨あたりで神経が圧迫されてしまい、しびれが現れる疾患です。鎖骨付近の筋肉の緊張が強くなってしまい発生するケースもあります。胸郭出口症候群は以下のような人がなりやすいといわれています。
- なで肩の女性
- 重いものを仕事で運ぶ方
胸郭出口症候群の特徴
腕を上にあげたりする動作で痛みやしびれを感じることが多いです。しびれは肩から手だけでなく、肩甲骨の辺りまで広がることもあります。
また、神経と同時に血管も圧迫されることがあり、手が白っぽくなったり、結構不良により痛みを生じることもあります。
頚椎椎間板ヘルニア
首の骨の間にあるクッション(椎間板)が飛び出ることにより、神経を圧迫してしまいしびれが現れてしまう疾患です。症状がひどい場合には手術も検討されます。頚椎椎間板ヘルニアは以下のような人がなりやすいといわれています。
- 30~50歳代
- 悪い姿勢をとることが多い
頚椎椎間板ヘルニアの特徴
首~腕にかけての痛みやしびれがあります。症状が進んでくると、細かな作業が苦手になることもあります。例えば、ボタンがかけづらくなってしまうなどです。
多くの場合、首を後ろや後ろ斜めにそらすと症状がひどくなる傾向にあります。
脳卒中
脳卒中は脳の血管がつまってしまったり、出血してしまったりする疾患です。しびれはその前兆としておこることがあります。脳卒中は以下のような人がなりやすいといわれています。
- 高血圧
- 糖尿病
- 肥満
- お酒の飲み過ぎ
- 暴飲暴食
脳卒中の特徴
脳卒中の前兆としてしびれがでることはあります。しびれは以下のような特徴があります。
- 片方手や足、顔面がしびれる
- うまく言葉がしゃべれない
- うまくたてない
このような症状が現れたらすぐに病院を受診する必要があります。脳の血管がつまっていたり、出血している可能性があるため後遺症が残ることもあります。
心配の少ないしびれ
しびれの中には病気の可能性が少なく、心配ないものも多いです。以下にあげるものが心配の少ないしびれです。
- 朝、起きたときに一時的にしびれる
- 同じ作業を繰り返し、しびれがでている
上記で紹介したしびれはほとんどが一時的なものです。筋肉の疲労や一時的な圧迫によって起こっているケースが多いため、心配は少ないとされています。
まとめ
本記事で解説したようにしびれは病気の前兆になっているものがあります。自分で原因を特定することは難しく、対処法を間違えば症状が長引いてしまうこともあります。
もしも、病気の前兆になっていると考えられる場合は医療機関への受診が必要です。しびれは放置せずに早めのケアが大切です。
参考文献
「日本整形外科学会」
「日本脳卒中協会」