急激な腰に襲われた場合、原因をしっかりと特定することが大切です。
しかし、特定しようと思っても腰痛の原因には様々な種類があるので自分自身で判断するのは難しいのが現状。
とくに有名なぎっくり腰と椎間板ヘルニアは場合によっては、見分けが困難なケースがあるため注意が必要です。
この記事では、椎間板ヘルニアとぎっくり腰の違いについて詳しく解説していきます。ぜひ、御覧ください。
ヘルニアとぎっくり腰の違い
ヘルニアとぎっくり腰の違いは以下のようなものです。
- ヘルニアは椎間板という骨と骨の間から髄核という組織が飛び出している状態のことで疾患名を指すもの
- ぎっくり腰は急に腰痛が起こった状態の総称
ひとつずつ解説していきます。
ヘルニアとは
ヘルニアという言葉は何かが飛び出すことを指します。腰で起こるヘルニアと通常、腰椎椎間板ヘルニアのことです。
背骨は一本の棒状ではなく、椎骨という骨が積み重なっているため柔軟に体を動かすことができる仕組みになっています。
その椎骨と椎骨の間にはクッションの役割を果たしている組織があります。それが椎間板という組織です。
椎間板の破れてしまうことにより、中の組織が飛び出してしまっている状態を腰椎椎間板ヘルニアというのです。
ぎっくり腰とは
一方、ぎっくり腰とは「急激に腰に起こる痛みの総称」を指します。
そのため、ぎっくり腰になる原因は筋肉・骨・関節・靭帯・椎間板など多岐に渡ります。例えるなら、腹痛のようなぼんやりとした表現のようなイメージです。
もちろん先程の椎間板ヘルニアもぎっくり腰の原因の一つ。
ぎっくり腰になると腰に急激な痛みが襲ってくるため、普段の生活だけでなく仕事にも大きな影響を及ぼすこともあります。
ヘルニアとぎっくり腰の症状の違い
続いてヘルニアとぎっくり腰の症状の違いについて説明していきましょう。
ヘルニアの症状
腰椎椎間板ヘルニアの大きな特徴は、神経の圧迫によってお尻や腰の痛みと下肢のしびれが出現すること。
特にしびれが起こりやすいのは太ももやすねであり、症状が悪化していくと下肢に力が入りづらくなることもあります。
急激に痛みや痺れが発症することもありますが、基本的には徐々に症状が強くなっていくことが多い点も特徴です。
リスクが高くなる生活習慣は、喫煙やストレスの蓄積、悪い姿勢などがあげられます。
ぎっくりの症状
急激に強い痛みが腰に起こる症状の総称がぎっくり腰です。
重いものを上半身だけで持ち上げようとしたり、前かがみの姿勢になったときに発症することが多くあります。
急激に激痛を起こすことからドイツでは「魔女の一撃」と呼ばれているそうです。
ぎっくり腰で一番多い原因は、腰回りの筋肉が急激な緊張を起こしギューっと縮まってしまうこと。
痛み自体は2〜3日経つと少しずつ痛みが軽くなっていくことが多く、正しい対処をしていればあまり長引くことはないでしょう。
しかし、日頃の姿勢や習慣が原因になっていることが多いので、何もケアをせずに放っておくと症状が長引いたり再発しやすくなったりすることが多いのも特徴です。
また、筋肉の緊張が原因でない場合、椎間板ヘルニアや腰椎すべり症などの可能性もあります。急激な腰の痛みに襲われた場合、病院を受診することをおすすめします。
まとめ
ぎっくり腰とヘルニアは全く違いものです。症状が似ている部分があるものの、素人判断でぎっくり腰だから受診はしなくても大丈夫などと言っていると大惨事になりかねません。
急激な腰痛に見舞われたら、早急に専門機関を受診して何が原因なのかをはっきりさせましょう。
ヘルニアでもぎっくり腰でも専門的な治療をしてもらった方が治りを早くし再発リスクを下げることが期待できます。