肩こりが起きるとそれを楽にしようとして自己マッサージをおこなったり、マッサージ店に通って施術を受けたりするのが普通ですよね。しかし、それによって揉み返しが起こる場合があります。
揉み返しとは施術後に筋肉痛のようなだるくて重い感じが出ることを言います。凝った筋肉は緊張により充血し血流が悪くなっています。
それを無理矢理に強く押したり揉んだり叩いたりすることで内出血を起こしてしまうのです。この内出血が痛みや腫れ、だるさや発熱を引き起こしてしまいます。
楽にしようとして逆に筋肉を傷めてしまっては本末転倒です。そこで本記事ではこの揉み返しの原因や好転反応との違い、対処法までご紹介します。
マッサージで揉み返しがおこる原因は?刺激が強く筋肉にダメージが起こっている
揉み返しの原因は、揉みほぐした際に筋肉を圧迫しすぎてしまい、筋膜や筋線維に炎症が起こってしまうことです。人によっては寝込むほどの症状が出る場合があります。
揉み返しは筋肉の損傷であり、マッサージを受けた直後は凝りがほぐれ柔らかくなったような感じがしますが筋肉が回復すると更に強く硬い凝りが発生してしまいます。
この揉み返しは筋肉による防御反応であり、『再び壊されないよう』にするため起こります。
硬く再生された筋肉を凝ったからという理由でまた押したり揉んだり叩いたりをすることにより何度も壊された筋肉はどんどんと硬く再生を繰り返すことになります。
このような悪循環を繰り返していては肩こりの解消には繋がりません。
揉み返しと好転反応の違いはなに?好転反応は体が良くなるための反応
好転反応とは施術をおこなうことで筋繊維に少なからず損傷を受け、その修復過程で痛みや重くだるい症状が出ることです。好転反応は揉み返しとは違い症状が出たあとそれが治まるとマッサージを受ける前より患部の状態が改善します。
揉み返しは筋肉が損傷しているので回復後も患部は硬くなっています。そこをまた壊すことでもっと強い刺激でなければ凝りがほぐれないようになってしまいます。
悪循環を繰り返すか症状が改善するか、それが揉み返しと好転反応の違いです。
また、好転反応は症状が出てから1日~数日で回復しますが、揉み返しは痛みが引いたあともだるくて重い感じが残り数週間経っても回復しない場合があります。
好転反応の症状は?好転反応は後日体が楽になる
好転反応の症状は揉み返しの症状と大変よく似ています。
マッサージを受けた直後には痛みやだるさはなく、翌日~2日程で症状が出ます。眠気やだるさ、倦怠感、患部が腫れたり痛んだりが主な症状です。
症状にも個人差があり好転反応があまり出ない方もいれば、マッサージ後に酷く症状が出てしまう敏感な方もいます。
酷い症状の場合、便秘やその逆で下痢、発熱や吐き気を感じます。また、体を起こしているのもだるく寝込んでしまう人もいます。
このような症状は個人差もありますが数日で回復します。
好転反応が起きると血流やリンパの流れが増加し、神経の働きも活発となります。それが落ち着くことで患部の症状が改善していきます。
揉み返しの症状は?不快な症状がなかなか取れない
揉み返しも同様でマッサージ後は張っていた筋肉がほぐれ軽くなったような感じがします。
施術後1~2日で痛みやだるさを感じ始め、筋肉痛に似た痛みやだるさを感じます。
軽い人であればその程度ですが、敏感な人であれば吐き気や頭痛で寝込んでしまう人もいます。
その後個人差はありますが数日~数週間かけて揉み返しの症状は回復していきます。しかし、患部の症状は元に戻っている、または悪化しています。
筋肉を揉んだり叩いたりすることで損傷させてしまうのでそれが修復した結果筋肉は再び壊されないよう更に硬く張りを持つからです。
これを何度も繰り返すため不快な症状がなかなか取れません。
マッサージで起こった揉み返しの対処法は?おすすめの方法2選
では、マッサージ後揉み返しとみられる症状が出て患部が痛くなってしまった、熱を持っているという場合どのように対処すれば楽になるのでしょうか。
揉み返しは筋肉の炎症ですから痛いからといって温めてはいけません。
また、安静にし過ぎてかえって症状を長引かせてしまう場合もあります。そのため、できるだけ普段の生活と変わらないように過ごしましょう。
ここでは主な対処法を2つご紹介します。
揉み返しが起こったらアイシングで炎症を予防する
揉み返しとは筋肉の炎症反応です。
痛みがあるからと温めてほぐそうとしてはいけません。よかれと思って温めたことにより血流を良くしてしまい、痛みやだるさが増してしまう可能性があるからです。
ですから揉み返しで腫れや熱を感じたら炎症を鎮めるためアイシングや冷シップを使って患部を冷やします。
ただし、冷やして気持ち良いからと長時間冷やし続けてはいけません。患部が硬くなり凍傷の恐れがあるからです。冷やす時間は5分程度とし長くても10分を越えないようにしましょう。
また、揉み返しは炎症が引いたあともしばらくの間患部がだるい、重いという症状が続きます。
炎症がある時に温めるのは逆効果ですが、炎症が引いていればお風呂などにゆっくりと浸かって温めるというのはだるさや重さを軽減させるため効果的です。
安静にし過ぎずに、動ける範囲で動く
痛みがあるのに無理をするのはよくないですが、必ずしも安静にしていることがよいとは限りません。
安静にし過ぎることで筋肉を動かさなくなるので筋肉はこわばり更に硬くなってしまいます。
揉み返しで患部が腫れて熱を持っている状態から脱したら出来るだけ無理のない程度に動くようにしましょう。
動かせないほど痛いわけではないのなら軽いストレッチなどで患部のだるさや重さが改善されることがあります。動きに問題がないようでしたら普段通りの生活を送りましょう。
肩こりに揉み返しが起きたと気の対処法まとめ
肩こりを解消しようとして自分で強く揉んだり叩いたり、マッサージ店で施術を受けたら翌日以降に筋肉痛のような症状が出た。
そのような場合は揉み返しかまたは好転反応の可能性が高いです。
患部が酷く腫れ熱を持っている場合、何日もその状態が続くようなら揉み返しの可能性があるので、まずは患部を冷やしましょう。
その後、肩にだるさや重さが残ったら入浴や患部をじんわりと温めると効果的でしょう。
また、揉み返しが起きても過度の安静は筋肉を硬くしてしまうため激しい痛みがなければできるだけ動くようにするのもおすすめです。
普段からストレッチや軽い運動を心掛けるとマッサージ後の揉み返しの予防にもなりますので普段の生活に取り入れるようにしましょう。