腰椎椎間板ヘルニアの症状のイメージは、「激痛」「とにかく腰が痛い」ということではないでしょうか。
けれど椎間板ヘルニアの症状はそれだけではありません。
あまり知られていませんが、腰椎椎間板ヘルニアの症状のひとつに「足のむくみ」があります。
腰痛と足のむくみが長期間続いている場合、椎間板ヘルニアがかなり進行している可能性も。
今回は腰椎椎間板ヘルニアの症状のひとつ「足のむくみ」について解説します。
そもそも椎間板ヘルニアってなに?
椎間板は、骨と骨の間でクッションの役割を果たしています。
腰椎(ようつい)椎間板ヘルニアは、腰の椎間板があるべき場所からはみ出し、神経を圧迫してしまう病気です。
「ヘルニア」とは、「身体の一部があるべき場所から出てきてしまった状態」のこと。
椎間板ヘルニアでは、椎間板の中にあるべき「髄核(ずいかく)」が、何らかの原因・きっかけで外へ出てきてしまいます。
出てきた髄核によって脊椎の周りの神経が圧迫されるため、強い痛みやしびれを感じることが多く、その痛みを「激痛」と表現する人も。
腰椎椎間板ヘルニアの原因としては、加齢、無理な姿勢や動き、事故などが考えられます。
椎間板ヘルニアでむくみは起こる?
腰椎椎間板ヘルニアの症状としてよく知られているのは、「腰痛」「坐骨神経痛」や「しびれ」です。
しかしその他にも「筋力低下や筋肉のこわばり」「足のむくみ」などの症状が出ることも。
多くの場合、腰椎椎間板ヘルニアは2~3ヶ月で痛みが改善しますが、「足のむくみ」はヘルニアが改善せずに長期化する場合に出てきやすい症状。
つまり腰椎椎間板ヘルニアによってふくらはぎや足の甲などにむくみが出る場合、ヘルニアの症状が進行している可能性が考えられます。
ヘルニアなかなか改善しないと動きが制限され、生活にも大きな影響がでるため、手術が検討されるでしょう。
腰が痛く、足がむくんでいればヘルニアなの?
「腰痛も足のむくみもある。もしかして、手術が必要なレベルの椎間板ヘルニアなの?」と心配になった方がいるかもしれません。
しかし腰痛と足のむくみがあっても、ヘルニアだとは限りません。
腰痛やむくみの原因は「生活習慣による冷え性や血行不良」かもしれませんし、ヘルニア以外の病気や、血管の障害だという可能性もあります。
ただし「そんなに痛みは強くないし、多分ただの冷えだろう」と軽く考えるのは禁物。
ヘルニアの痛みの程度には個人差があり、全員が激痛を感じるとは限らないからです。
雑誌やインターネットを参考にした自己流の対策で、かえって症状が悪化してしまうケースもあります。
腰痛と足のむくみが長く続いている場合には、一度整形外科を受診し、検査や診断を受けることをオススメします。
まとめ
「とにかく痛い」というイメージがある腰椎椎間板ヘルニア。
しかし実際には腰椎椎間板ヘルニアの症状は、痛みだけではありません。
「足のむくみ」も腰椎椎間板ヘルニアの症状のひとつで、足のむくみがある場合には、病気が進行している可能性が考えられます。
ただし腰痛と足のむくみが併発しているからといって、かならずしも「進行したヘルニア」だとは言えません。
冷えや他の病気が原因になっている可能性もあります。
いずれにしても、自己判断によって症状が悪化する危険性がありますので、気になる場合には整形外科を受診してください。
とくに経験豊かな「整形外科専門医」や、専門性の高い「脊椎・脊髄病認定医」がいる病院をオススメします。