頭痛の原因はさまざまあり、タバコも片頭痛を引き起こす原因のひとつといわれています。
しかもタバコを吸わない人のほうが、喫煙者よりもタバコの煙に敏感で、タバコによる頭痛に悩みやすいです。中には加熱式タバコの受動喫煙で頭痛になる人も。
なお「片頭痛は女性に多い」とされていますが、煙草による頭痛・片頭痛は女性だけではなく男性にも起こりえます。
今回はタバコと頭痛の関係について解説します。
タバコが原因で片頭痛を起こす人もいる
タバコの煙には、ニコチン・タール・硫化水素・アンモニアなど多くの化学物質が含まれています。
これらの物質に反応して頭痛を起こしてしまう人がおり、タバコによる頭痛は「物質による頭痛」に分類されています(国際頭痛分類による)。
タバコの煙に含まれる化学物質のうち、特に片頭痛と関係が深いと言われているのが、血管収縮作用を持つニコチン。
片頭痛は血管が拡張するときに起こるので「血管を収縮させる作用を持つニコチンで片頭痛が起こるのは変だな」と思う人もいるかもしれませんね。
喫煙しているときや喫煙直後はニコチンによって血管が収縮するのですが、タバコがなくなって血中のニコチン濃度が急速に下がると血管が拡張します。
血管の収縮と拡張の繰り返しが、片頭痛に繋がると考えられているのです。
自分が吸わなくても…受動喫煙でも頭痛が起こる
自分がタバコを吸わない場合でも「職場が分煙されていなくて、タバコの煙の中に身をおいている」「タバコの臭いを嗅いでいる」などの受動喫煙によって頭痛を起こす人もいます。
受動喫煙によって頭痛・咳などの体調不良を起こしている状態は「受動喫煙症」と呼ばれ、「シックハウス症候群」などと同じ「化学物質過敏症」のひとつと考えられています。
受動喫煙の状態にある人が誰でも発症するわけではなく、タバコの煙に敏感に反応する人とそうでない人がいます。
そのため「タバコの煙で頭痛が出てしまう」「気分が悪くなる」と訴えても、なかなか理解されないことも。
また受動喫煙による被害を受けている本人が「タバコの煙が充満しない環境に移動すれば症状は治まるから、まだ我慢できる」と、軽く考えることもあるかも知れません。
しかし受動喫煙による頭痛を繰り返すことで、タバコの煙を吸っているとき以外でも症状が続くようになってしまうケースもあります。
加熱式タバコ・電子タバコも頭痛を誘発する
紙巻タバコ以外の「加熱式タバコ」や「電子タバコ」の受動喫煙でも、体調不良を起こす人がいます。
加熱式タバコ・電子タバコの受動喫煙では喉や目の痛みを訴える人が多いのですが、頭痛や耳鳴りも症状のひとつなのです。
加熱式タバコのほうが「周りに迷惑をかけない」「いわゆる煙害になりにくい」というイメージがあるかもしれませんね。
しかし中には「紙巻きタバコよりも加熱式タバコのほうが症状が重い」という人も。「我慢しているうちに喘息」「睡眠障害にもつながった」になったという例もあります。
まとめ
紙巻タバコ・加熱式タバコに含まれる化学物資は、喫煙者にとっても吸わない人にとっても、頭痛の原因になりえます。
また片頭痛がある人がタバコを吸っていると、脳卒中のリスクが3倍になるというデータもあり、喫煙者は注意が必要です。
受動喫煙に悩んでいる場合には「受動喫煙症」の診断を受けてみてはいかがでしょうか。日本禁煙学会のWEBサイトで、受動喫煙症の診断ができる病院・クリニックが紹介されています。
診断を受けることで、自身の症状を客観的に知ることができ、医師のアドバイスを受けられます。また診断がつけば、職場の環境改善を要望しやすくなる効果もあるでしょう。