「めまい」という症状ひとつとっても中身は様々。
例えば、目の前が回るようなめまい。頭がふわふわとするようなめまい。ふらつくようなめまい。
そんなめまいの中身や、めまいの強さは人それぞれですが、やはり歩けなくなるような強いめまいが発症した場合は何か酷い病気なのか?と感じてしまうことでしょう。
実際に歩けないほどの強いめまいが起きるということは身体からの何かしらのサインであることは間違いありません。
今回はそんな歩けないほどの強いめまいが起こる原因と対処法を解説していきます。
いつ皆さんの身に降りかかるか分からない、強いめまい。この記事が皆さんのいざという時の助けになれば幸いです。
歩けないめまいの原因
歩けないめまいの原因はいくつかの疾患が隠れていることがあります。
今回はその代表的な3つの疾患をご紹介します。
良性発作性頭位めまい
良性発作性頭位めまいは、頭の位置を変えた時(起床時など)に起こるめまいのことです。
ぐるぐると回るような強いめまいが起こるため、歩くことも困難な状態になります。しかし、大抵の場合は一過性でおさまることが特徴です。
良性発作性頭位めまいの原因は、耳の中の前庭という器官にある耳石という砂状のものが何らかの原因によって剥がれおちてしまうことで起こります。
そして、剥がれ落ちた耳石が隣接する半規管という平衡感覚を司る器官に入ってしまうため、半規管が一時的にうまく作用しなくなるという流れです。
めまいの他にも吐き気などをもよおす場合がありますが、耳鳴りが起こることは殆どないことが次項に紹介するメニエール病との見わけ方になります。
メニエール病
メニエール病とは30~50代に多い耳の平衡感覚に異常をきたす疾患です。特徴としては激しく回るようなめまいを起こすことがあり、歩くのも困難な場合があります。
メニエール病の原因は耳の中(内耳)にリンパ液が溜まりこむことで引きおこりますが、残念ながらリンパ液が溜まりこんでしまう確定的な原因は未だ明らかにされていません。
また、めまいの他にも耳鳴りや難聴を起こすことが先ほど紹介した良性発作性頭位めまいとの大きな違いとなります。
脳梗塞
最も警戒しなければならないのが脳梗塞です。
脳梗塞とは脳内の血管の一部が詰まってしまい虚血状態になることで起こります。脳内の血管が虚血になることで脳内へうまく酸素が回らなくなり、強いめまいが起こり歩くことも困難になる場合があります。
脳梗塞が先述した2つの疾患と大きく異なる点は、最悪の場合は死に至るということ。また一命を取り留めたとしても後遺症が残りやすいということです。
脳梗塞ではめまいの他にも頭痛や吐き気、症状が進行すると顔面麻痺やろれつが回らないという症状が出てくるため念のため覚えておくと良いでしょう。
歩けないほどのめまいが起こった時の対処法
もし歩けないほどのめまいが起こった時の対処法はたったひとつ。
「早期に医療機関を受診すること」このひとつに尽きます。
考え方としては、もし歩けないほどのめまいが発症してしまった場合には軽視せず最悪の事態も念頭に置くことが大切です。
この場合でいう最悪の事態とは「脳梗塞」になります。
例えば、脳梗塞を疑って脳梗塞ではなかった場合は取り越し苦労で終わりますが、脳梗塞を疑わず脳梗塞だった場合は取り返しのつかない事態になってしまいます。
いずれにせよ自分自身で判断することは非常に危険なことです。もし歩けないほどのめまいが起きてしまった場合は医療機関を受診しましょう。
おすすめの診療科は脳神経外科です。
まとめ
歩けなくなるほどのめまいが出ると不安に感じてしまう人も多いでしょう。
もちろん、歩けなくなるほどの強いめまいは身体からの何かしらのサインであることは間違いありません。
しかし、めまいに関してはまだまだ医学的に未知な部分もありはっきりと解明されていないことも多いです。
私たちに出来る一番有効な対策は、規則正しい生活・栄養バランスのとれた食事・適度な運動など、当り前のことを当り前に行うことなのかもしれません。