生活に大きな支障を出してしまう四十肩と五十肩。これらは正確な医学用語ではなく、正しくは肩関節周囲炎という名称です。
つまり、四十肩も五十肩も同じ疾患であり、対処法や原因は全く同じもの。本記事ではそんな四十肩・五十肩の治療法や対処法について詳しく解説してきます。
ぜひ、ご覧ください。
五十肩の治療の種類は?代表的な3種類の治療法を紹介
五十肩の治療の種類は多くあります。その中で代表的な治療法は以下の3つです。
- 運動療法
- 温熱療法
- 寒冷療法
五十肩・四十肩がどの程度の症状かによって必要なケアが異なります。しかし、いずれの治療法も目的は「炎症の緩和」と「可動域の向上」です。
一つずつ解説していきましょう。
運動療法
運動療法はストレッチや振り子運動などを行なうことを言います。運動療法を行なうことによって、肩関節の緊張がほぐれていき痛みの緩和や肩関節の可動域を広げることが可能です。
五十肩になってしまった方へのケアとして運動療法を行なうのはもちろんですが、痛みのない方への予防としても役立ちます。
毎日の習慣として両肩に行なうのがおすすめです。
温熱療法
温熱療法とは、患部を温め血行を促進させる治療法です。細胞の再生を促し、痛みを緩和させていきます。
温熱療法は自宅でも行なうことが可能です。自宅で行なう場合はゆっくりと入浴したり、濡れたタオルをレンジで温め患部に当てることで温熱療法を実施できます。
その他にも、温湿布を使って血液循環を良くする方法もありますが肌がかぶれやすい方は注意しながら行ないましょう。
温湿布は薬効が残った状態で入浴するとヒリヒリした痛みを感じる場合もあります。かぶれを防ぐためにも入浴の前後1時間は温湿布を使用しないようにしましょう。
なお、医療機関を受診して治療を受ける場合、ホットパックやマイクロ波などの機械を使って温める治療もあります。五十肩や四十肩を治すためには、治療以外の時間も肩や体を冷やさないように気を付けることも大切です。
寒冷療法
寒冷療法とは、炎症を抑えるために患部を冷やす治療法です。
寒冷療法は五十肩・四十肩になったばかりの炎症が激しい時期に行なわれることが多いです。しかし、寒冷療法は氷を使って冷やしていくため凍傷を起こす可能性も。そのため、自宅で行う治療法としては一般的ではありません。
もしも自宅で行なう場合には、長時間冷やし続けると筋肉が硬くなるリスクがあるため、症状が悪化してしまった際には寒冷療法はすぐに中止しましょう。
五十肩はどのような経過をたどって治るの?
五十肩は発症してから時間がたつにつれて症状が変わっていきます。どのような経過を辿るのか具体的に見ていきましょう。
急性期
急性期は五十肩・四十肩になって間もない時期。痛みが非常に強いですが、無理をすれば肩を動かすことができます。
急性期は発症から大体2週間前後と言われており、その痛みは肩を動かした時だけではなく安静時や就寝時も起こってしまいます。
そのため、できるだけ無理な動作を控えることが大切です。就寝時に抱き枕を使ったり、重たいものを持たないなどの工夫が必要でしょう。
慢性期
慢性期は発症してから徐々に痛みは緩和される時期。一般的に発症から2〜4週間後と言われています。
急性期と比較して痛みはおさまるものの、関節の動かしにくいさは急性期より強くなります。また、痛みがおさまると言っても無理に動かそうとすると痛みを伴うことがほとんど。
しかし、痛いからと動かさないでいると肩関節が硬くなってきてしまうという悪循環に陥ってしまいます。慢性期は五十肩・四十肩の中でも期間が非常に長く日常生活に支障が出てしまう辛い時期と言えるでしょう。
回復期
回復期は少しずつ痛みが解消してきて肩が動かしやすくなる時期。人によって回復期が訪れるまでの期間は異なりますが、一般的には半年〜1年程度だと言われています。
回復期で大切なのは、低下してしまった肩関節の可動域や筋力を取り戻すためのストレッチやトレーニングです。
少しでも症状を良くするために肩回りを冷やさないようにすることも大切です。
まとめ
五十肩は発症して完治するまで非常の長い時間がかかってしまう厄介な症状です。そのため、症状を感じたら早めに医療機関に受診して正しい治療を行うことが大切。
少しでも症状を長引かせないために継続的にケアをしていきましょう。