職場や家庭のストレスが原因で肩のハリに悩まされている方は多くいます。ストレスがかかるたびにひどくなる症状はとてもつらいですよね。
しかし、なぜストレスがかかると肩のハリになってしまうのでしょうか?その原因がわかると日々の対策もおこないやすくなるかもしれません。
本記事を読むことによって、ストレスと肩のハリの関係が明確になり、日々の対策がおこないやすくなります。早速ストレスがどのように肩のハリを引き起こすのかを見ていきましょう。
ストレスを感じると肩こりになる2つの仕組み
ストレスがかかると肩のハリになってしまう可能性が高くなります。なぜなら、ストレスに対抗するため、さまざまな栄養素を消費したり、自律神経が乱れてしまうからです。
実際にストレスと肩のハリとの関連を調査した研究では、ストレスを自覚している方が肩のハリを訴える人が多いとの結果がでています。
ストレスから肩のハリにつながる可能性がある要因は以下の2つが考えられます。
- ストレスを受けて、アドレナリンなどが大量に分泌されて、自律神経が乱れる
- ストレスを受けて、副腎皮質ホルモンが分泌され、ビタミンCが枯渇する
上記の理由を詳しく解説していきます。
自律神経の乱れが肩のハリを感じやすくする
自律神経が乱れることによって、肩のハリを感じやすくなることがあります。ストレスによって、交感神経が高まり、常に緊張状態になってしまうからです。
ストレスを受けると、自律神経が体を守ろうと反応します。その結果、血管を縮め、血流が早くなります。この状態が長く続くと体はリラックスできなくなり、肩のハリを起こしやすくなってしまうのです。
体内のビタミンCが少ないと肩のハリになりやすい
体内のビタミンCが少ないと肩がハリやすいという研究があります。これは筋肉や靭帯をしっかりと作ることができなくなると言われているからです。
京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授 青山朋樹医師の言葉を引用します。
「血液中のビタミンCが不足している方は、不足していない方と比べ、肩こりになる危険性が1.5倍、膝痛を発症する危険性が1.3倍、リウマチ様症状を発症する危険性が1.4倍高くなっていました。著者は、ビタミンCは、靭帯や筋肉の腱、骨に必要不可欠なコラーゲンの合成に重要な役割を果たしているため、ビタミンCが不足することで、腰痛などの症状を発症しやすくなったのではないかと考察しています。」
ポケットセラピストニュースより引用
ストレスがかかるとそれに対抗するため、ホルモンが分泌されます。有名なのは副腎皮質ホルモンです。
これはストレスホルモンとも呼ばれているもので、ストレスから体を守る役割があります。
実はこの副腎皮質ホルモンを作るのにはビタミンCが必要です。そのため、強いストレスを受け、副腎皮質ホルモンが大量に分泌されると、ビタミンCも大量に必要になります。
持続的なストレスを受けると、ビタミンCが少なくなってしまう可能性があります。そのため、ストレスによって肩のハリが起こりやすくなってしまう可能性があるのです。
ストレスをさらに大きくするマインド・ワンダリング
マインド・ワンダリングとは「心の迷走」のことを言います。過去に起こった出来事をあれこれ心の中で思い返してしまうことです。
例えば、上司にパワハラをされていて嫌な思いをしたとします。自宅に帰って、ゆっくりしている時に「今日はほんとにつらい思いをしたな」「明日もまた同じことが起こってしまうのかな」と考えを巡らせてしまうことがありますよね。
このように頭の中で考えてしまうと、余計にストレスを強くしてしまいます。この時にも体の中ではストレスに対抗するために働いている可能性があるのです。
実際にストレスを受けている場面だけでなく、その場にいない状況でもストレスを感じてしまいます。その結果、肩のハリにもつながることもあるのです。
職場で感じているストレスをチェックしてみよう
ここで紹介しているストレスチェックは厚生労働省が作成したものです。職場環境におけるストレスを計測できるもので、自分のストレスがどの程度のものなのかを知ることができます。
参考サイト「5分でできる職場のストレスセルフチェック」
このサイトでチェックすることにより現在感じている肩のハリがどの程度職場のストレスを関連しているのか、一つの指標になるでしょう。興味のある方は試してみてください。
自宅できる解消法
ストレスからくる肩のハリ対策には以下の方法がおすすめです。
- ビタミンCを積極的にとる
- 睡眠をしっかりとる
ストレスを受けることにより、ビタミンCが多く消費されてしまうことは説明しました。そのため、しっかりとビタミンCを取ることで肩のハリが予防できる可能性があります。
また、睡眠をしっかりととると自律神経が整いやすいです。可能ならば6~8時間の睡眠をとることをおすすめします。睡眠不足を継続してしまうと、筋肉の痛みや疲労、集中できないなどの症状が出ることがわかっています
まとめ
肩のハリとストレスは大きく関係しています。自律神経の乱れとストレスホルモン分泌によるビタミンC消費が大きく影響しています。
ストレスを受ける環境に長くいてしまうと、肩のハリだけでなく、その他の症状も出てきてしまうことがあります。
ストレス要因をなくのか難しい場面もありますので、体調を崩さないようしっかりとケアをしていきましょう。