耳鳴りとは、実際には鳴っていないのに、周囲で音が鳴っているように聞こえる現象のことをいいます。この耳鳴りの原因がストレスや自律神経、筋肉に緊張からくるものと考えられています。
現代人に増加傾向のある耳鳴りとストレス、自律神経などの関係について詳しく解説します。
肩こりと耳鳴りの関係は?ストレス、自律神経について
近年、耳鳴りは20~30歳代の人にも増えています。多くはストレスや不規則な生活による「自律神経の乱れ」が原因だと考えられています。
自律神経が乱れると血管が収縮するために筋肉の緊張が高まり、耳鳴り、めまい、頭痛の他、首・肩のこりなどを引き起こしやすくなるといわれます。
デスクワークなどによる首・肩のこりによって血の巡りが悪くなると、その周辺の部位にも悪影響をもたらすことがあるため、肩こりが耳鳴りの要因になることも。
そのため、肩をほぐせば耳鳴りがおさまる場合もあるようです。ただし肩こりが慢性化している場合は、その分耳鳴りは改善されにくくなる場合が多いとされています。
これは耳鳴りだけでなく、血行不良によるめまいや頭痛に関しても同じことがいえます。逆に肩こりがおさまっても耳鳴りが止まらないのであれば、他の要因を疑ってみるべきかもしれません。
肩こりが原因ではない?ストレスの結果、肩こりと耳鳴りが起こることも
ストレスの原因は人によって様々ですが、耳にかかわる症状の中でも、耳鳴りや、難聴、めまいで悩む人が少なくありません。
こうした症状に影響を及ぼすのが疲労や寝不足、ストレスといってもよいでしょう。特に生活のリズムが乱れがあったり、疲れやストレスがたまっていたりするときに、こうした症状が起きやすく、悪化するケースも少なくありません。
中でも強いストレスを受けると自律神経が乱れ、耳鳴りが起きやすくなります。
耳鳴りの原因は他にもある?ストレスや自律神経以外の要因を解説
耳鳴りは生活習慣と関係が深く、例えば以下のような原因で起こることもあります。
- 騒音の激しい工場などで働いている
- 喫煙
- カフェインの過剰摂取
- 毛染め
- 顎関節症
- 寝不足
上記のような原因に加え、低血圧、メタボリックシンドローム、アレルギーの人も発症しやすくなると言われています。
気圧でも自律神経が乱れる?増えてきている気象病について
耳鳴りで悩んでいる人の中には気圧によってその症状が変化することを感じています。ここでは気圧と自律神経の関係を解説していきます。
気象病とは?気圧の変化で不快な症状がでること
気象病という症状を聞いたことがあるでしょうか。これは、近年認知されつつある病名で、気象の変化によって症状が出現、あるいは悪化する疾患の総称です。
天気が悪いと古傷がいたむ、といった天気痛のほか、メニエール病、吐き気、頭痛、腰痛、肩こりなど様々な症状が出現する可能性があります。
患者数は増加傾向にあり、1000万人以上が悩んでいるとの推計もでているほどです。耳鳴りもこの気象病で起こることがあり、気象条件によって自律神経が乱れやすいためと言われています。
気圧の変化と自律神経の関係について
気象病の主な原因は、気圧の変化と言われています。
これは平衡感覚をコントロールする耳のセンサーが敏感に反応しすぎると、わずかな気圧の変化でも脳に過剰な情報が伝わってしまうためです。
この結果、自律神経が乱れて、体に様々な変調が起きてしまうのです。
近年は、大型で強い台風が発生するケースで気象病が目立ち、症状を訴える人が増える傾向にあります。
病院での処置としては、気象病の予兆であるめまいが出るタイミングで、抗めまい薬の服用が指示されることが多いです。
抗めまい薬には、内耳の血流を改善する働きがあり、内耳の状態を整えてくれます。抗めまい薬と同様の成分が入った酔い止め薬を飲むのもよいでしょう。
薬を使わず耳鳴りを解消する方法は?ポイントは副交感神経の活性化
耳鳴がしてしまう要因には自律神経の乱れがあります。特に多いのが、交感神経が優位になってしまっている状態です。
そのため自律神経を整えるポイントは以下の2つです。
- 交換神経を抑制する
- 副交感神経を活性化させる
具体的な方法をいくつか公開します。
首がゆがむと悪影響?首をほぐすと自律神経が整う
およそ3~4kgの重さがある人間の頭を支えている首には、日常的に大きな負荷がかかっています。この首には副交感神経が密集しており、首こりがあると自律神経が乱れてしまう可能性はあります。
そのため首をほぐすことは自律神経を整えることになるため、耳鳴りにも効果的なことがあります。
首の歪みや緊張をほぐすための対処法をご紹介します。
1・体を冷やさない
夏のエアコンによる冷やしすぎや、冬の寒さに身を縮める筋肉の緊張は首こりの原因になることが多いです。冷気をなるべく避け、蒸しタオルやカイロなどを使って、首と肩を温めましょう。
2・仕事の環境を見直す
パソコンやデスクワークなどを長時間をおこなうことも首のこりの原因になります。パソコンの位置や休憩時間を見直せるようであれば、自分の体調が整う方法を検討することをおすすめします。
3・入浴で血行を良くする
38~40℃くらいのぬるめのお湯にゆったりとつかりましょう。血行を良くすることは筋肉に緊張を取り除くおすすめの方法です。
入浴剤などもいれ、心身ともにリラックスできる時間を作りましょう。
睡眠をしっかりとることで自律神経を整える
夜更かしや不規則な生活は自律神経を乱してしまいます。決まった時間に睡眠をとり、朝は二度寝せず起きる習慣付けをしましょう。
よく眠るためのヒントとしては、夜に紅茶やコーヒーを飲んだり、重い食事を取るのは避けましょう。また、アルコールなどに頼り過ぎると、質の良い睡眠は保証されません。
就寝前にお風呂に入るのもよい方法と言えます。どうしても眠りにつけない場合には、専門医に相談するのもいいでしょう。
肩こりと耳鳴りの関係と対処法についてまとめ
ストレスや筋肉の緊張の結果、血流が悪くなったり、肩こりが発生したりしてしまい、耳鳴りが起こることが多いです。
さまざまな対処法がありますが、本記事で紹介している方法をまずは試してみることをおすすめします。
耳鳴りは慢性化してしまうと、なかなか改善しない症状で有名です。早めの対処が鍵となりますので、ケアを遅らせず実践してみてください。