先に結論から言ってしまうと両者の違いは「骨に異常が出現する部位」です。レントゲンやMRIを見ると、はっきり違いがわかります。
症状が似ていますが、起こっている現象は全く異なるのですね。
本記事ではすべり症と脊柱管狭窄症の違いについてさらに詳しく解説していきます。ぜひ、ご覧ください。
すべり症と脊柱管狭窄症の違い
すべり症と脊椎管狭窄症の違いは患っている腰の骨がどのような状態になっているか?の違いにあります。
つまりどちらも神経や血管が圧迫されることによって症状が出ていることは同じなのですが、圧迫の仕方に違いがありますのです。
ひとつずつ解説していきましょう。
すべり症とは
背骨はだるま落としのように綺麗に積み重ねられているのが本来の状態。
しかし、すべり症では何らかが要因となって前方か後方にずれてしまっている状態を指します。
すべり症が悪化していくと、骨が大きくずれていくため神経が圧迫され、様々な症状が出現してしまうのです。
はっきりとした原因が解明されたわけではありませんが、閉経頃の女性に多いと言われています。その理由は閉経前後に女性ホルモンが減少傾向にあるから。
閉経頃の女性は骨粗しょう症のリスクが高まるため、背骨にも影響が出ると考えられているのです。
また、その他にも若年期の疲労骨折も原因の一つと言われています。
脊柱管狭窄症とは
背骨の中には脊髄という神経の束が通っている空間があります。脊椎管狭窄症とは、加齢や背骨の変形などによりその空間が狭くなってしまい、脊髄や並走している血管が圧迫された状態のこと。
脊椎管狭窄症も加齢によって発症するリスクが高くありますが、先天的に脊髄を通る空間が狭い場合もあるよです。
すべり症と脊柱管狭窄症の違いをまとめる、
すべり症:腰の骨にヒビが入り、ズレる
脊柱管狭窄症:脊髄が通る空間が狭くなる
と、いった違いがあるのです。
すべり症と脊柱管狭窄症の症状は?
すべり症と脊柱管狭窄症の症状は大変よく似ています。2つの症状を解説していきます。
すべり症の症状
すべり症では、腰や下肢に痛みやしびれを感じるようになります。その他、すべり症の進行具合によっては、歩行障害や排尿障害などの様々な症状が現れてしまうケースも。
また、ある程度の距離を歩くとふくらはぎに痛みがでるが、休憩すると再度歩行できるといった間欠性跛行(かんけいつせいはこう)と呼ばれる症状がでることもあります。
ちなみにすべり症では、座っていたり安静にしていたりすると症状はあまり出ません。
主に症状が出る状況は、
- 長時間歩く
- 立ち上がる
- 家事を行う
などのときに腰痛やしびれが増すケースが多いです。
◆脊柱管狭窄症の症状
脊柱管狭窄症も、先述したすべり症と同じような症状が出現します。
特に出やすいのが間欠性跛行(かんけいつせいはこう)です。間欠性跛行がでてしまうと日常生活に支障が出やしすいため、早期の治療が必要になってきます。
ちなみに脊柱管狭窄症も安静にしている状態では、症状はあまり出現しません。
そのため、すべり症と脊柱管狭窄症の見分けは一般の方ではなかなか難しく整形外科で検査を受ける必要があると言えるでしょう。
まとめ
すべり症と脊柱管狭窄症の症状はよく似ています。そのため、自分で判断するのではなく整形外科などを受診する必要があります。
両者は放置しても治ることはほとんどないので、早急に適切な対処をしましょう。