膝が腫れて痛みを感じたとき「もしかして膝に水が溜まっているのでは?」と不安になりますよね。
膝に水が溜まるのは、体からの炎症や異常を知らせるサインかもしれません。
今回は「膝に水が溜まる理由とは?病院へ行くべき症状と治療法」について解説します。
膝に水が溜まるとは?
膝に水が溜まる状態とは、関節内に通常よりも多くの関節液(滑液~かつえき~)が溜まり、腫れや痛みを引き起こすことを指します。
これは「関節水腫」とも呼ばれ、膝に炎症が起こることで発生します。
では、なぜ膝に水が溜まるのでしょうか?
膝に水が溜まる主な理由
膝に水が溜まる原因はいくつかあります。
加齢によるものからケガ、さらには病気によるものまでさまざまです。主な原因を見ていきましょう。
関節炎(変形性膝関節症・リウマチなど)
加齢や長年の負担により、関節軟骨がすり減ることで炎症が起こり、関節内に水が溜まることがあります。
リウマチなどの自己免疫疾患も原因の一つです。
ケガや外傷
転倒やスポーツ時のケガによって、膝の靭帯や半月板が損傷すると、炎症反応として水が溜まることがあります。
痛風や偽痛風
尿酸やピロリン酸カルシウムの結晶が関節内に沈着することで、急激な炎症が起こり、水が溜まる場合があります。
感染症(化膿性関節炎)
細菌感染によって関節に炎症が起こり、水が溜まることがあります。発熱を伴うことが多く、早急な治療が必要です。
その他の疾患
腫瘍や膝の血管障害など、まれに深刻な疾患が原因で関節内に水が溜まることもあります。
このように、膝に水が溜まる原因は多岐にわたります。症状が続く場合は、自己判断せずに医師の診断を受けることが大切です。
病院へ行くべき症状とは?
以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
- 膝の腫れや痛みが長引く(数日経っても改善しない)
- 熱を持っている、赤く腫れている(感染の可能性)
- 膝を曲げ伸ばしすると激痛がある
- 膝に力が入らず歩行が困難
- 発熱を伴う(化膿性関節炎の可能性)
特に、膝が赤く腫れたり、熱を持ったりしている場合は、感染の疑いがあるため、すぐに病院を受診してください。
膝に水が溜まったときの治療法
膝に水が溜まると、痛みや動きづらさが生じ、日常生活に支障をきたすことがあります。そのため、適切な治療を受けることが重要です。
病院での治療は原因に応じて異なりますが、主に以下のような方法が取られます。
- 水を抜く(関節穿刺)…膝に溜まった水を注射器で抜くことで、腫れや痛みを軽減。同時に抜いた液体を検査し、炎症や感染の有無を確認。
- 抗炎症薬・鎮痛薬の使用…炎症を抑えるために非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やステロイド注射が用いる。
- 理学療法・リハビリ…筋力トレーニングやストレッチを行い、膝への負担を軽減する。膝周りの筋肉を鍛えることで水が溜まりにくくなる。
- 手術(重度の場合)…半月板損傷や変形性膝関節症が進行している場合は、手術が必要になることも。
これらの治療法を組み合わせることで、膝の状態を改善し、再発を防ぐことができます。
自分に合った治療法を医師と相談しながら選択しましょう。
自宅でできる対策と予防法
膝に水が溜まるのを防ぐためには、日常の生活習慣を見直すことが大切です。
無理のない範囲で膝をケアし、関節の健康を維持するためのポイントを押さえておきましょう。
- 膝に負担をかけない生活を心がける(急な動作や過度な運動を避ける)
- 適度な運動を取り入れる(膝周りの筋力を強化する)
- 体重管理をする(膝への負担を軽減するため)
- 膝を冷やす・温める(炎症時は冷やし、慢性的な痛みには温める)
- 栄養バランスの取れた食事を摂る(関節の健康を維持するために、コラーゲンやビタミンDを意識)
これらの対策を意識することで、膝の健康を保ち、水が溜まるリスクを減らすことができます。
日頃からケアを心がけ、膝への負担を軽減しましょう。
まとめ
膝に水が溜まるのは、炎症や疾患が原因となっていることが多く、放置すると悪化する可能性があります。
特に腫れや痛みが続く場合や、発熱を伴う場合は早めに医療機関を受診しましょう。
適切な治療を受け、日常生活での予防を心掛けることで、膝の健康を守ることができます。