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肩が上がりづらい原因は“骨の衝突”かも?肩峰下インピンジメントとは

服を着る、髪を結ぶ、高い棚の物を取る…そんな日常の動作が急に辛く感じるようになったら、それは「肩峰下(けんぽうか)インピンジメント症候群」が関係しているかもしれません。

肩の痛みや可動域の制限にはさまざまな原因がありますが、その中でも見逃されやすいのがこの「肩峰下インピンジメント」です。

今回は「肩が上がりづらい原因は“骨の衝突”かも?肩峰下インピンジメントとは」について解説いたします。

肩が思うように動かない…その不調、放っていませんか?

肩の違和感や痛みは、初期のうちは「疲れかな」「寝違えたのかも」と見過ごされがちです。しかしその状態が続くと、衣服の着脱や洗髪などの日常動作が困難になり、生活の質に大きく影響してしまいます。

こうした不調の原因の一つが、肩の骨と腱がこすれ合って炎症を起こす「肩峰下(けんぽうか)インピンジメント症候群」です。

発症初期は軽い違和感程度でも、徐々に痛みが強くなり、肩がまったく上がらなくなってしまうケースもあるんですよ。

肩峰下インピンジメントとは?|炎症のメカニズム

「肩峰下(けんぽうか)インピンジメント(Subacromial Impingement)」は、肩関節の中でも、肩峰(けんぽう)という骨と、その下を通る腱や滑液包(関節のクッション)が衝突することによって痛みや炎症が生じる状態です。

肩を上げたり、後ろに回すような動作を繰り返すことで摩擦が起き、やがて炎症を引き起こします。痛みだけでなく、動作制限や「引っかかる感じ」が出るのが特徴です。

肩峰下インピンジメントが起こる原因は?

肩峰下インピンジメントは、以下のような要因で発生しやすくなります。

  • 繰り返しの肩の使用:スポーツや重いものを持つ作業(投球動作や肉体労働など)

  • 姿勢の悪さ:長時間のデスクワーク、猫背、巻き肩などで肩関節に負担が集中

  • 加齢:筋力や柔軟性の低下により、腱や靭帯の摩耗が起きやすくなる

  • 筋肉バランスの乱れ:特定の筋肉だけを使いすぎることで、肩の動きに偏りが出る

これらが重なることで、肩関節内で腱と骨がぶつかりやすくなり、炎症が起きるのです。

診断方法と検査について

症状が数日〜数週間続くようであれば、整形外科など専門医の診察を受けることが大切です。診断は以下のような流れで行われますよ。

  1. 問診と触診:いつから、どんな動作で痛むのかを確認

  2. 可動域のチェック:腕を上げる、ひねるなどの動作で反応を見ます

  3. 画像検査:レントゲンやMRI、超音波検査などで骨や腱の状態を把握

特にMRIやエコー検査は、肩内部の腱や滑液包の状態を詳しく確認でき、診断に役立ちます。

治療法は?痛みを和らげる方法と重症時の対処

軽度〜中等度の肩峰下インピンジメントの場合、まずは保存療法(手術をしない治療)から始めます。

  • 安静…肩を無理に動かさず、炎症を抑える

  • 消炎鎮痛剤の服用…痛みや腫れを和らげる

  • 理学療法(リハビリ)…肩周りの筋肉を整える運動療法やストレッチ

  • 注射治療…関節内にステロイドを注入して炎症を抑えることもあります

それでも改善しない場合は、関節鏡手術などで骨の一部を削る処置が行われることもあります。ただし、多くのケースでは手術を行わずに改善が期待できますよ。

自分でできる予防と改善ケア

肩峰下インピンジメントの予防には、肩周囲の柔軟性を保ち、正しい姿勢を意識することが重要です。

毎日の生活の中で簡単にできる、取り入れやすいストレッチを3つ紹介しますね。

  • 壁に手をついて、ゆっくり腕を上げ下げする

  • 肩甲骨を寄せるように胸を開く姿勢を意識

  • 上半身をねじって肩周りの可動域を広げる

仕事の合間やお風呂上がりに取り入れることで、筋肉の緊張を緩め、再発防止につながりますよ。

まとめ

肩の動かしづらさや痛みが続いているなら、それは単なる疲れではなく「肩峰下インピンジメント」の可能性があります。早期に気づき、適切な治療やセルフケアを行うことで、症状の悪化を防ぎ、快適な生活を取り戻すことができますよ。

肩のトラブルは放置せず、少しでも違和感を覚えたら専門医の診察を受けることをおすすめします。毎日のストレッチや姿勢改善を習慣にして、大切な肩を守りましょう。

この記事を書いた人

【院長】鎌谷直也|柔道整復師

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