少し歩くと、お尻から太もも、ふくらはぎにかけてしびれてくる。
でも、しゃがんで少し休むと、また歩けるようになる。
そんな不思議な症状に、心当たりはありませんか。

「郵便ポストまで行けない」という切実さ
これは、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)に特徴的な、間欠性跛行(かんけつせいはこう)という症状です。
キッチンでの調理中や、レジ待ちで立ち続けるだけでも、足が重くしびれてくる。
夜中にしびれで目が覚める、朝起きた瞬間に足が動かない。
そんな声を、私たちはたくさん聞いてきました。
「孫と公園を歩けない」「駅の階段がつらい」。
生活の範囲が、少しずつ狭くなっていく。
それがどれほどつらいことか、私たちはよくわかっているつもりです。



「良かれと思った姿勢」の、意外な落とし穴
実はこの症状、一般的な腰痛のイメージとは、少し違うメカニズムで起きています。
背骨の中にある神経の通り道「脊柱管」が、加齢によって狭くなっている。
そこに、背筋をピンと伸ばした「良い姿勢」を意識すると、腰が反り、脊柱管がさらに狭まってしまうのです。
胸を張って歩こうとする、その頑張りが、実は神経を圧迫している。
驚かれる方も多いのですが、これが脊柱管狭窄症ならではの落とし穴です。



今日からできる、歩き方と休み方
対策はシンプルです。
あごを軽く引き、2〜3メートル先を見ながら、少し前傾で歩いてみてください。
猫背に見えることを、恥ずかしがる必要はありません。
その姿勢こそが、脊柱管を広げてくれる、楽な歩き方なんです。
しびれが出る前に、こまめに立ち止まって前かがみで休む。
無理に歩き続けるのは、かえって逆効果になります。
そして、杖やシルバーカーは、決して「年寄りっぽい道具」ではありません。
上半身の体重を道具に逃がしてあげることで、痛みなく歩ける距離は、2〜3倍に延びることもあります。
歩く人生を、長く楽しむための、心強いパートナーだと思ってください。



寝るときも、腰を反らさないことがカギ
横向きで両膝を軽く曲げ、膝の間にクッションを挟む。
仰向けなら、膝の下にクッションを入れる。
どちらも、腰の反りを防いでくれる寝方です。
うつ伏せ寝や、足を伸ばした仰向け寝は、知らないうちに反り腰を強めてしまうので、少し注意してみてください。



まとめ
「もう年だから」「手術しかない」。
そう思って、歩くことを諦めていませんか。
痛みを我慢して安静にしすぎると、筋力が落ち、かえって歩行能力が低下してしまうこともあります。
腰を反らさない生活習慣を身につけ、ストレッチや道具を味方につければ、行きたい場所へ、自分の足で歩ける日々はしっかり取り戻せます。
一人で悩まず、まずは気軽にお話しください。
コツリバでは、無理のない運動療法や姿勢の調整で、歩く人生を一緒に支えていきます。
なお、歩ける距離が急に短くなった場合や、排尿・排便のトラブルを感じる場合は、神経の圧迫が強いサインです。
我慢せず、早めに専門医を受診してくださいね。
















